Jan Wolfe
[ワシントン 23日 ロイター] - 米最高裁判所は23日、1959年のキューバ革命後にカストロ政権に接収された財産について、米国企業がキューバ政府に賠償を求めることを容易にする判決を下した。米石油大手エクソンモービルがキューバの国営企業シメックスを相手取って起こした訴訟で、エクソンモービルの主張を認めた。
最高裁は、一般的に外国政府やその代理人に対する米国での訴訟を禁じる「外国主権免除」と呼ばれる法的抗弁は、エクソンが1996年制定の米国法「ヘルムズ・バートン法」に基づきシメックスを提訴したようなケースには適用されないとの見解を示した。シメックスが主権免除を抗弁として主張できるとした2024年の下級審判決を覆した。
判決では最高裁の保守派判事6人が賛成し、リベラル派の3人が反対した。
判決文を執筆した保守派のブレット・カバノー判事は、ヘルムズ・バートン法が「キューバの機関の主権免除」を排除すると記した。
エクソンは2019年、シメックスがエクソンの前身企業であるスタンダード・オイルにかつて属していた製油所やガソリンスタンドを違法に使用したとして、シメックスを提訴した。1959年に同社のキューバ国内の石油・ガス資産がカストロ政権に接収されたことによる損失額は当時7000万ドルに上り、利息や損害賠償の増額の可能性を考慮すると、現在の請求額は10億ドル以上に達している。
ヘルムズ・バートン法は、1959年の革命で樹立されたカストロ政権に没収された財産を「取引」する者に対して、米国の裁判所に訴訟を提起することを認めている。トランプ政権はエクソンによる最高裁への上告を支持していた。
エクソンの広報担当者は23日の裁判所の判断を歓迎し、これを「キューバ政府が違法に没収した資産に対する補償を求める60年にわたる取り組みにおける重要な節目」と評した。