AI(人工知能)開発企業アンソロピックが、またしても難しい局面を迎えている。
【動画】トランプ政権の命令を受け、最新のクロードAIモデルが停止
6月12日、同社は最先端の大規模言語モデル(LLM)2種類の提供を停止すると発表した。わずか3日前に提供を始めたばかりの2モデルが米政府の輸出規制の対象となり、外国人による利用を禁じられたためだ。
この突然の措置で、AIモデルをめぐる国家安全保障上の懸念を背景に続いてきたアンソロピックとドナルド・トランプ米政権との対立は、さらに深まった。両者が正面から衝突するのはこの1年で2度目となる。
アンソロピックの幹部は15日に首都ワシントンで政府側と協議したが、現時点で解決策は見えていない。協議の内容については双方がコメントを控えている。
アンソロピックによると、同社は12日午後、政府から輸出規制に関する通達を受けた。国家安全保障上の権限に基づき、最新モデルの「クロード・フェイブル5」と「クロード・ミュトス5」に対し、外国人(米国籍を持たない同社の従業員を含む)の利用を禁じる内容だった。ただし、安全保障上の懸念について具体的な説明は、政府側から示されなかったという。
政府側は口頭で、利用者が安全対策を回避する「ジェイルブレイク(脱獄)」が可能になる脆弱性を問題視している、と伝えた。しかし同社は、それらの脆弱性は「比較的容易に見つかる類いのもの」だと主張し、オープンAIのチャットGPTなど一般公開されているモデルでも発見可能なレベルだと反論した。
次のページ