Andy Sullivan Matt Spetalnick

[ワシントン 18日 ロイター] - トランプ米大統領は、自身がイランと取りまとめた合意は、オバマ元大統領が2015年にまとめた核合意より優れていると主張している。一方、現時点でトランプ氏が得たものははるかに少なく、イランに対する譲歩の方がはるかに大きいと指摘する批判派の見方もある。

二つの合意を比較する。

<それぞれの合意にあるもの、ないもの>

それぞれの合意は大きく異なる。トランプ氏がイランと署名した「覚書」は最終合意ではなく、数週間にわたって断続的に交渉された14項目から成る1ページ半の枠組みだ。

これにより、包括的な解決に向けた60日間の交渉期間が始まった。だが、イランの核開発計画、制裁緩和、ホルムズ海峡の今後など、乗り越えるべき課題は数多く残っている。

オバマ氏の合意は、「包括的共同行動計画(JCPOA)」と題された完成済みの詳細な文書で、160ページ以上に及んだ。厳格な基準を設け、イランの核活動制限に焦点を絞ったものだった。トランプ氏はこの合意を「ひどい」と非難し、1期目の18年に破棄していた。

トランプ氏のアプローチは米国とイランの二国間によるものだ。これに対し、オバマ氏は中国、フランス、ドイツ、ロシア、英国、欧州連合(EU)を交渉に巻き込み、約2年間にわたる協議を行った。

<核開発計画>

両合意とも、イランが核兵器を決して求めないという書面による約束を含む。核の脅威を開戦の主な理由に挙げたトランプ氏は、イランがこれまでそうした約束をしたことはないと主張しているが、これは事実と異なる。

オバマ氏の合意は、イランが兵器級ウランを製造する取り組みに厳しい制限を課し、「ブレークアウト(核兵器開発に踏み切ってから完成までの所要期間)」までの期間を延ばすことを目指した。米政府は、トランプ氏がJCPOAから離脱するまでイランは合意を順守していたとの見解を示していた。

トランプ氏の暫定合意は、イランの核活動抑制に向けた大まかな道筋を示すにとどまり、60日間の期間内に核問題を協議する以外に、イラン側からの具体的な約束を得ていない。

合意は兵器級に近いウラン備蓄を巡る対立を解決するイランの意向を示唆しており、国連の核監視機関である国際原子力機関(IAEA)の監督下で施設内において「希釈(ダウンブレンディング)」する可能性も含んでいる。ただ、その判断は最終合意に委ねている。

JCPOAには広範な国際査察が含まれていたが、覚書はそうしたプロセスを将来的に復活させることを求めていない。

<制裁と凍結資産>

両合意とも、制裁緩和と資産の凍結解除を含んでいる。打撃を受けた経済を立て直すため、イランはこうした措置を一段と切望しているが、その手法は大きく異なる。

オバマ氏は早い段階で一部制裁を緩和したが、それは包括的な合意に署名した後で、その後はイランによる検証可能な措置に基づいて緩和を段階的に進めた。

トランプ氏の覚書は、イランの石油輸出を即時認める米国の適用除外措置を含め、初期段階に緩和措置を前倒しで実施する一方、最終的なパッケージは後の交渉に委ねている。

また、数十億ドルの凍結資金を解除する道を開いているが、それがいつ実現するかは明確ではない。

別の条項では、米国と中東の同盟国が経済開発に向けてイランのために3000億ドルの基金を設立することを求めているが、条件や日程ははっきりしない。

これについては、トランプ氏の与党・共和党内のイラン強硬派から譲歩し過ぎだとの批判を招いている。トランプ氏は、オバマ氏が1981年以来凍結されていた武器売却代金17億ドルをイランに返還したことを長年にわたって非難してきた。

自身の合意とオバマ氏の合意を比較されることを嫌うトランプ氏だが、オバマ氏の合意の何倍もの資金をイランに提供することになる。

<ホルムズ海峡>

JCPOAは核問題のみを扱った。これはオバマ政権による意図的な選択で、他の域内懸念を抱き合わせれば最終合意が不可能になると判断したためだ。

一方、トランプ氏の覚書は、2月末にイスラエルと共に開始した戦争の恒久的終結に向けた外交上の出発点だ。

そのため、覚書の主要な柱の一つは、イランが事実上閉鎖したホルムズ海峡の再開で合意することになった。イランは、戦争開始前にはなかった同海峡に対する管理上の役割を主張しており、これが交渉の障害となる可能性がある。

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