東京の中心、千代田区の神田神保町に古書店が軒を連ねていることはよく知られている。周辺には出版社も多く、千代田区から文京区、新宿区にまたがるエリアは明治期から、出版・印刷産業の集積地として発展してきた。
その一角、新宿区の神楽坂には今も、大手出版社の新潮社があり、印刷会社やデザイン会社、製本・加工の専門会社などが点在している。創業80年を迎える株式会社研文社もその1つで、東京メトロの神楽坂駅から細い路地を5分ほど歩いた場所に本社と工場を構える。
ただし、出版・印刷産業の「歴史」を体現する会社、というわけではない。
商業印刷や出版印刷を生業としてきた研文社は、「地球にやさしい、ものづくり」「ひとにやさしい、ものづくり」を掲げ、「未来」に向けて、印刷の殻を破りつつある会社だ。社員は約230人。神楽坂と大阪にオフィスを、工場は他に、埼玉県と兵庫県にも持っている。
現在、印刷会社を取り巻く環境は、決して「やさしい」ものではない。社会のデジタル化により、印刷需要は減少。紙資源の持続可能な調達、印刷工程でのCO₂排出といった環境面での課題も抱えている。そもそも紙には、廃棄されやすいという特徴もあるのだ。
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