[エルサレム 18日 ロイター] - イスラエル軍は18日、レバノン南部における自軍の展開領域の拡大を示す地図を公表した。また、この地域を越えた攻撃の実施も排除しないとし、レバノンの主権尊重を求める米国とイランの暫定合意の条件に反発した。イスラエル当局者は部隊展開の継続を巡って米国と交渉を行っている。

米国とイランは前日、「レバノンの領土保全と主権」を確保するよう当事者に求める覚書に署名した。イスラエルはレバノン、ガザ、シリアで掌握した地域を自国と敵との間の「緩衝地帯」と位置付けており、ネタニヤフ氏はこれらの地域から撤退すべきだという要求を拒否している。

イスラエル高官は、レバノン南部への部隊展開の継続を巡り米国と「粘り強い交渉」を行っているとし、レバノンのリタニ川以南の地域への部隊駐留を含めイスラエルの立場は譲らないと述べた。

イスラエル軍は4月、レバノン南部の緩衝地帯を示す地図を公表していたが、18日に新たに公表した地図では、リタニ川の北にあるヒズボラの拠点ナバティエ付近を含め、軍が数キロ奥深くまで展開していることが示された。イスラエル軍はこれらの地域で数週間にわたり展開していたが、拡大した領域を示す地図はこれまで公表していなかった。

公表された地図ではこの領域を濃い赤色で示し、「イスラエル軍がレバノン南部で活動している安全保障地帯」と説明した。

イスラエル軍高官は、軍は「安全保障地帯を越えた場所で確認された、イスラエルの兵士や市民に対する脅威を排除し続ける」と述べ、事実上、レバノンのさらに奥深くまで攻撃を行う可能性があると示唆した。

ヒズボラの指導者ナイム・カセム師は17日のテレビ演説で、レバノン領内にイスラエルの安全保障地帯を設けるという考えを拒否し「黄色地帯も、赤色地帯も、緑色地帯も認めない。イスラエルは出ていかねばならないし、出ていくことになる」と述べた。

ヒズボラは今週もレバノン南部のイスラエル軍拠点への攻撃を続けており、自爆型ドローンによる攻撃で兵士が死傷した。

米国との交渉についてイスラエル当局者2人は、自軍がレバノンに駐留し続けるという立場を譲ることはないと指摘。このうち1人は、交渉の結果は最終的に、暫定協定の条件をイスラエルが順守しない場合に報復を警告することで、トランプ大統領が「問題を強制的に解決しようと決断する」かどうかにかかっていると述べた。

イスラエル当局者は、17日に両国が署名した米国とイランの合意に対し怒りを表明し、イランの核計画を巡るイスラエルの懸念に十分対応しておらず、レバノンでの軍事作戦を縛ることになると指摘した。

ネタニヤフ氏は合意署名後初のコメントで、イスラエルは米国との関係を重視しているとしつつ、戦争中にヒズボラのロケット弾攻撃にさらされたイスラエル北部の町の住民の安全を維持する必要があると表明。「これにはレバノン南部の安全地帯の維持が必要であり、イスラエルの安全保障上の必要性が続く限り、そこから撤退しないことが求められる」と述べた。

テルアビブのシンクタンク、国家安全保障研究所の上級研究員で元イスラエル軍情報将校のダニー・シトリノウィッツ氏は、軍が新たなレバノンの地図を公表したタイミングは重要だと指摘した。同氏は、支配地域を画定することで、イスラエルは「ここはわれわれの場所であり、ここから撤退しない」と表明していると述べた。

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