Laila Bassam Parisa Hafezi Maya Gebeily Tom Perry
[ベイルート/ドバイ 17日 ロイター] - イランと米国の戦闘終結に向けた覚書合意は、レバノンの親イラン民兵組織ヒズボラの政治的立場や資金面を強化することになりそうだ。イラン政府はヒズボラに対し、制裁免除や資産凍結の解除によって資金を得られるようになれば、資金支援を増やすと約束していることが関係者の話で分かった。
ヒズボラは資金的に苦しい状況にある。5月、現金支給を削減せざるを得なくなったと表明。6月になって、避難を強いられた家族に200ドルの支援を提供した。受給者によると、戦争中にヒズボラが現金支援を提供したのはこれが初めてだという。
イラン政府から説明を受けた中東地域の外交官2人によると、イランは資産の凍結が解除され次第、より多くの資金を提供するとヒズボラに保証した。レバノン政府高官は、イランが可能な限り早期に資金支援すると約束したと述べた。別のレバノン筋はイランが支援を強化する見通しだと語った。いずれも具体的な金額は示していない。
イランは、米国の厳しい制裁下にあってもヒズボラへの資金支援を続けていた。米財務省によると、イランは2025年1─10月にヒズボラに10億ドル提供した。
ヒズボラのメディア部門は、イランがヒズボラへの支持を公に表明しており、支援は続いていると説明。凍結解除されたイラン資金の一部をヒズボラが受け取るのかとの質問に対し、イランは「資金回収の詳細に関係なく」レバノンを支援し続けると述べた。
一方、米当局者は、同国がイランに対し「資金がテロ組織に渡るのであれば、凍結は解除されない」と伝えたと述べた。「この覚書はイランに代理勢力を抑制する動機付けとなる。それをしなければ、覚書にある恩恵も受けられなくなるからだ」と指摘した。
シンクタンク、カーネギー中東センターのモハナド・ハゲ・アリ氏は、イランからの大規模な資金支援はヒズボラにとって「ゲームチェンジャー」となり、支持者を支援し、レバノン国内でほころんだ政治的同盟関係を修復することが可能になると指摘した。
同氏は、ヒズボラの武装解除問題は「後回しになる」と予想。イスラエルのレバノン攻撃がヒズボラの武装維持の根拠になると指摘した。ヒズボラはイランにとっての戦略的資産であり、イランが見限る可能性は低いと語った。