Ahmad Ghaddar
[ロンドン 17日 ロイター] - 国際エネルギー機関(IEA)は17日、アラブ首長国連邦(UAE)の石油生産量が、石油輸出国機構(OPEC)脱退後の増産に向けた動きを背景に来年には日量500万バレルを超える可能性があるとの見通しを示した。これによってOPECと非加盟産油国でつくる「OPECプラス」以外の供給拡大の流れにおいて、UAEが主役になるとみられれている。
UAEは先のOPEC離脱の決定について、生産能力の拡大を優先し、資源の価値を最大化することを目的としており、生産枠(クォータ)による制約を受けないようにするためだと説明している。
IEAによると、UAEの石油生産量は来年日量520万バレルと、前年比で同73万バレルの増加が見込まれる。
2016年に日量310万バレルだったUAEの生産能力は、今年時点で同440万バレル近くまで拡大している。これに加えてコンデンセート(超軽質油)と天然ガス液の生産能力が約110万バレルあることは、UAEが長期的な拡大戦略を推し進めていることを裏付けている、というのがIEAの分析だ。
アブダビ国営石油会社(ADNOC)は先月、成長を加速させ戦略を遂行するため今年から2028年にかけて2000億ディルハム(550億ドル)規模のプロジェクトを発注すると発表。同社は今年から30年までに1500億ドルの設備投資を計画している。
UAEのマズルーイ・エネルギー相はロイターに、市場環境が必要とすれば生産能力を最大で日量600万バレルまで引き上げる可能性があると語ったが、これは公式な目標ではないと強調した。
IEAは、UAEの石油輸出は堅調さを維持していると指摘。イランとの戦争による混乱にもかかわらず、日量180万バレルの輸送能力を持つハブシャン・フジャイラ・パイプラインや、フジャイラにある4200万バレルの貯蔵施設などのインフラに支えられている点に言及した。
UAEの5月の輸出は日量310万バレルで、前月比同26万バレルの増加。IEAによると、生産量は日量280万バレルまで増えたが、依然として戦争前の水準を約83万5000バレル下回っている。