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[16日 ロイター] - 内戦が続くミャンマーのミンアウンフライン大‌統領の中国への公式訪問は、国軍総司令官経験者⁠の同氏が権力基盤を固めるのに大きな後押しとなる見通しだ。5日間の訪中では中国の習近平国家主席との首脳会談が行われ、5月下旬に公式訪問したインドのモディ首相と会談したことに続く動きとなる。

クライシスグループのミャンマー担当上級顧問、リチャード・ホーシー氏は「習氏がホストを務める国賓としての公式訪問は、中国がミャンマー新政権を対等なパートナーとして扱う用意があることを示す明確なシグナルだ」と指摘。一方、インドについては「ミンアウンフライン氏を温かく迎え入れたが、国賓に相当する完全な礼遇は与えていなかった」と振り返った。

アナリストらは、中国がミンアウ​ンフライン氏を手厚くもてなすことで、レアアース(希土類)といった重要資源の開発などで自国の戦略的利益の確保に引き続き力を入れる可能性が高いとの見方を示す。

中国はミャンマーにとって貿易相手国および投資国として最大であり、国を横断する石油・ガスパイプラインや深海港といった中国の巨大経済圏構想「一帯一路」の大型プロジェクトを通じて影響力を確固たるものにしている。

また、中国はミャンマー国軍にとっても武器の不可欠な供給元であり、外交パートナーの役割も果たしている。中国と結びつきが強い民族武装勢力が勢力を振るう国境沿いの地域では、中国が停戦の仲介に協力することさえある。

ミャンマー情勢を注視しているタイ在住の独立系アナリスト、デビッド・マティソン氏は「中国の関心は連邦制(の政治統治)ではなく、希土類やインフラ、鉱業、そしてインド洋への経済回廊の確保にある」とし、「中国はまた、西側諸国がミャンマーから撤退しつつあると認識しており、中国はミャンマーの新たな宗主国的な立場を担うつもりだろう」と言及した。

ミャンマーでは2021年の軍部によるクーデターで、民主派指導者​アウンサンスーチー氏が率いる政権が転覆。内戦が激化し、9万3000人超が死亡し、370万人超が国外へ避難した。ミャンマー国軍は昨年12月から今年1月にかけて主要な野党を排除した総選挙を実施し、国軍系の連邦団結発展党(USDP)が圧勝。ミンアウンフライン氏の大統領就任の道を開いた。

国営メディアによると、ミンアウンフライン氏に同行して訪中している代表団には工業相と、ともに中国と国境を接するミャンマーのカチン州およびシャン州の主要閣僚も含まれている。軍と主要な武装勢力との間で激しい戦闘が続いているカチン州には、世界最大級の重希土類元素の鉱床がある。一方、シャン州は中国と複数の貿易ルートを共有している。

タイを拠点とする独立系アナリストのアウンキョーソー氏は、会談ではミャンマーと中国の国境での貿易や、11年に凍結された中国主導のカチン州での36億ドル規模のミッソンダム計画が焦点となる可能性が高いとの見方を示す。

ミンアウンフライン氏の訪中で改めて取りざたされそうなのが、ミャンマー情勢を専門とするシンクタンクを率いる米国籍のミンジン氏を中国当局が最近逮‌捕した問題だ。

クライシスグループのホーシー氏は「ミンアウンフライン氏の訪問で、ミンジン氏の逮捕がさらに注目を浴びることになるだろう。同氏は、両国間の相互理解を深めるために活動している最も著名なミャンマー研究者の一人だからだ」と解説した。

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