Yoshifumi Takemoto
[東京 17日 ロイター] - 6月のロイター短観で、景況感を示すDIは製造業が5ポイント、非製造業が3ポイントそれぞれ改善した。半導体市況の好転などが寄与した。中東情勢によるナフサなど資材不足は、製造休止などマイナスの影響がある一方、先買い特需などの恩恵をあげる声もあった。もっとも先行きは製造業が横ばい、非製造業は大幅悪化となっており、中東情勢を不透明要因に挙げる声が複数ある。
調査期間は6月3日から12日。調査票発送企業は490社、回答社数は215社だった。
<製造業は半導体関連が好調、ナフサ関連で資材不足も>
製造業DIは前月比5ポイント改善の13。9業種中5業種が改善、1業種が横ばい、3業種が悪化した。
もっとも大きく改善したのは「金属・機械」で21ポイント増のプラス26だった。「半導体市況の回復に伴い、大幅に受注が増加している」、「為替が円安で安定推移している」(機械)という。
「化学製品」も14ポイント増のプラス20。「受注が前期比増加、手持ち工事の順調な進捗と利益率の改善で増収増益」との声があった。このほか「食品」も7ポイント増のマイナス33だった。
「電機」は5ポイント増のプラス15。「半導体市場向けを中心に受注が活況」、「鉱物価格の変動により収益が押し上げられている」との声があった。自動車などの「輸送用機器」は3ポイント改善のプラス13で、「原油価格高騰による先買い需要による特需がある」と指摘されている。
一方「石油・窯業」は24ポイント減のプラス14に悪化した。「原料入手難により製造を休止せざるをえない製品が発生」(窯業)、「ナフサ危機による資材価格の高騰および資材不足の影響を受けいる」(ガラス・土石)という。
「鉄鋼・非鉄」も13ポイント悪化のマイナス13。「中東情勢の影響で、石油関連製品の供給問題が取引先の生産に影響している」(非鉄)との指摘があった。
<非製造業、賃料上昇・駆け込み受注>
非製造業のDIは3ポイント改善の32。6業種中4業種が改善、2業種が悪化した。もっとも大きく改善したのが「不動産・建設」と「その他サービス」でそれぞれ8ポイント増となった。「賃料が上昇している」(不動産)、「宿泊、宴会部門ともに堅調」(不動産)、「電子部品業界で受注が回復」(サービス)、「百貨店で国内・インバウンド売り上げともに前年を上回っている」(サービス)という。
「卸売」も5ポイント増のプラス25に改善。「中東情勢に伴う駆け込み受注により売り上げが増えている」、「ここ数カ月受注は極めて好調」との声がある。
「小売」は2ポイント増のプラス25。「半導体市場の特にメモリ向けが好調」などの回答があった。
一方「情報サービス、情報通信」は7ポイント減のプラス33にとどまった。「原料調達に伴う生産数量制限がある」、「葬儀市場の悪化」、「中東情勢を踏まえ、顧客が設備投資に慎重になっている」という指摘があった。
「運輸・電力」も2ポイント悪化のプラス26だった。「円安と原油高騰で仕入れ価格が上昇している」(運輸)という。
<先行き、非製造業で悪化 円安収束せず>
先行きDIは、製造業が横ばいのプラス13、非製造業は13ポイント悪化のプラス19となっている。「自動車販売の減少」(不動産)、「中東情勢の影響を受けた顧客の設備見直し凍結や延期」(不動産)が指摘されている。「原燃料が高騰しており、円安が収束しない」(サービス)との懸念も聞かれた。
製造業 非製造業
ロイター 日銀 ロイター 日銀
2023年1月 -6 20
2 -5 17
3 -3 1 21 20
4 -3 24
5 6 25
6 8 5 24 23
7 3 23
8 12 32
9 4 9 23 27
10 4 24
11 6 27
12 12 12 26 30
2024年1月 6 29
2 -1 26
3 10 11 32 34
4 9 25
5 9 26
6 6 13 31 33
7 11 26
8 10 24
9 4 13 23 34
10 7 20
11 5 19
12 -1 14 30 33
2025年1月 2 31
2 3 30
3 -1 12 25 35
4 9 30
5 8 30
6 6 13 30 34
7 7 30
8 9 24
9 13 14 27 34
10 8 27
11 17 27
12 10 16 33 36
2026年1月 7 32
2 13 25
3 18 17 25 36
4 7 31
5 8 29
6 13 32
見通し 13 14 19 29
見通しの数値はロイター短観では8月、日銀短観では6月を指す。
今後のロイター短観発表スケジュールは以下の通り:
2026年 7月15日、8月12日、9月9日、10月7日、11月11日、12月9日
*ロイター短観DIは、日銀短観DIとの連動性の高さで知られており、ロイターが毎月調査している。資本金10億円以上の製造業、非製造業(金融を除く)を対象にアンケート形式で調査した。DIは、日銀が実施している短観のDIと同様、景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を引いて算出している。
調査票の発送と回収は株式会社日経リサーチに委託している。
ロイター短観(400社ベース)は1998年6月から調査を開始。200社ベースの調査は1996年3月からスタートしている。データはPDFファイルの[表]ロイター短観DI詳細と[表]過去からの時系列に掲載している。
*ロイター短観の時系列データなどはこちらをご覧ください。