Kentaro Sugiyama Takahiko Wada

[東京 16日 ロイター] - 日銀の内田真一副総裁は16日、金融政策決定会合後の会見で、現在の金融環境は引き続き「緩和的」との認識を示し、今後も経済・物価・金融情勢に応じて利上げを継続していく方針を示した。政策金利が1%に引き上げられる中でも、景気を下支えする環境は維持されるとの見方を示した。

日銀は今回の会合で政策金利を1.0%に引き上げることを賛成多数で決定した。政策委員からは50ベーシスポイントの大幅利上げを求める提案はなかった。

内田副総裁は利上げの理由について、基調的な物価上昇率が2%の物価安定の目標を超えて上振れていくリスクがあると指摘。物価安定目標の持続的・安定的な実現という観点から、金融緩和の度合いを調整することが適切であると判断した、と述べた。

その上で「政策金利の変更後も、緩和的な金融環境は維持されるため、引き続き経済活動をしっかりとサポートしていくと考えている」と語った。

市場では、今回の利上げによって中立金利の下限に近づいたとの見方が出ている。これについて内田副総裁は、中立金利の推計値には相当なばらつきがあり、金融政策を実践する立場からすれば「あまり使えない」と指摘した。その上で、短期金利を上げていく過程で金融環境の変化を点検して中立金利の水準を探りながら、金融緩和の度合いを調整していくしかないと述べた。

また、声明文から「実質金利がきわめて低い水準」との表現が削除された点については、実質金利との距離感を示すより、「金融緩和の度合い全体を評価し、それを説明する方がより適切」と説明し、コミュニケーション手法の見直しであるとの認識を示した。

政府との関係では、高市早苗政権の経済政策との整合性について「整合的」と述べた。政府が中東情勢を背景とした景気下振れリスクへの対応や物価高対策に注力している一方で、日銀は物価の上振れリスクに対応するために利上げを行ったと説明し、それぞれの役割に沿った政策対応を行っているとの考えを示した。

Reuters Copyright (C) 2026 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。