Stella Qiu Wayne Cole

[シドニー 16日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中央銀行)は16日、政策金利を4.35%に据え置いた。金融環境の引き締まりを受けて景気が減速しつつあるとの見解を示した。一方で、インフレ抑制のために必要であれば、再び利上げする可能性があると警告した。

今年に入って初めての据え置きとなった。インフレ率は依然として高すぎるとし、押し下げるために必要であれば、政策金利のさらなる引き上げを含め、あらゆる手段を講じると表明した。据え置き決定は全会一致だった。

インフレや個人消費、雇用に関する最近の国内経済指標が軟調だったことや、ホルムズ海峡の再開につながる中東の和平合意で原油価格が下落し、インフレリスクが和らいだことから、市場では金利据え置きが予想されていた。

ブロック総裁は、今回は利上げを検討しなかったものの、インフレについては依然として懸念しており、さらなる利上げの可能性も排除しないと表明。会合後の記者会見で「中東の紛争終結に向けた合意が成立したという報道は歓迎すべきものだ」と述べた。

「もし紛争が終結し、ホルムズ海峡が再開されれば、商品の流れを支え、価格を下げるはずだが、これには時間がかかる可能性があり、秩序ある解決はまだ保証されていない。つまり、インフレには依然として上振れリスクがあり、成長には下振れリスクがある」とした。

中銀は声明で「中東紛争の解決は初期段階にあり、インフレ率が5月時点のベースライン予想を上回り、経済活動が下振れするというシナリオもあり得る」と指摘した。

また「世界の石油供給問題の解決は時間を要する見込みで、世界のエネルギー価格とインフレに上昇圧力をかけ続ける」とした。

政策金利の発表後、豪ドルは下げ幅を維持し、0.3%安の0.7050米ドル。

スワップ市場は8月の政策変更の確率を約26%と織り込んでおり、年内の引き締め幅は合計13ベーシスポイントと、1回の利上げにも満たない水準を織り込んでいる。

ナショナル・オーストラリア銀行のチーフエコノミスト、サリー・オールド氏は「当面はインフレが成長よりも優先されるため、中銀の金融政策に関する大枠のメッセージにハト派的な転換を期待するのは時期尚早だ。したがって、われわれは市場が今後数カ月間の引き締めの可能性をある程度織り込んでいるのは妥当だと考える」と語った。

金利がコロナ禍後の最高水準に並ぶ中、消費者が支出を抑え、第1・四半期の実質国内総生産(GDP)は前期比0.3%増にとどまるなど、成長は大幅に鈍化している。失業率も4年半ぶり高水準の4.5%に達した。

ブロック氏は、景気減速は予想通りであり、労働市場は依然としてやや逼迫していると指摘。「経済の減速は予想されるものであり、実際に減速が見られても慌てる必要はない。インフレを抑えるためには実際にそうなる必要がある」と述べた。

豪中銀はエネルギーコストの高騰を背景とした根強いインフレ圧力の抑制に苦慮し、2月以降既に75bpの利上げを実施している。先月発表された4月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比の伸び率が4.2%に鈍化したが、コアインフレ率指標のトリム平均値は3.4%に加速し、中銀の目標レンジ(2─3%)を上回った。

オックスフォード・エコノミクス・オーストラリアの経済調査責任者、ハリー・マーフィー・クルーズ氏は「4カ月近くに及ぶ原油価格ショックによるインフレの勢いは、もはや元には戻せない」と指摘。

「投入コスト、輸送費、農産物コスト上昇によるCPIへの影響の大部分は今なお消費者価格に転嫁されつつあり、基調的なインフレ圧力はすぐには消えない」と述べ、早期の利下げに慎重な見方を示した。

シュローダーズの債券部門責任者ケリー・ウッド氏は「豪中銀は現時点で十分な対応を行った。8月は動きを見極める月であり、行動を起こす月ではない」と語った。

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