EVはエンジンオイルが不要でメンテナンスもほとんど必要がないため、ランニングコストが劇的に安い。注目すべきはこの再エネシフトが政府主導ではないという点である。パキスタンの脆弱なエネルギー体制に不安を感じた国民が、自らパネルの設置とEV購入を進めたことで石油依存度が低下。政府がこれを追認する形で再エネ戦略を表明している。

日本とのあまりの違いに驚きを禁じ得ない。パキスタンはこれまで特殊な国だったかもしれないが、今回のイラン攻撃をきっかけに各国がパキスタンのような社会を目指して急激に舵を切り始めている。太陽光パネルの主要生産国である中国の輸出は、4月には前年同月比60%増という驚異的な数字となった。当然ながら世界におけるEV販売も急増しており、中東危機後には37カ国で過去最高の販売台数を記録している。

アメリカに追随し世界と逆行する日本

これまで再エネやEVは環境問題として語られることが多かったが、今回の動きはそうではない。石油に依存することの安全保障上のリスクや経済的コストの高さを各国が強く認識した結果であり、エネルギーの基本インフラについて、いよいよ構造的かつ不可逆的な変化が始まったと考えるべきだろう。

アメリカは再エネに否定的であり、日本もその方針に追随しているように見える。アメリカは世界最大の産油国の1つで、全てのエネルギーを自国でカバーできるが日本は違う。エネルギーを自給できない国の戦争遂行能力は著しく低くならざるを得ないが、日本政府がこの現実を理解しているようには見えない。

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