Noriyuki Hirata

[東京 15日 ロイター] - 東京市場では日経平均が取引時間中の史上最高値を更新し、初めて6万9000円台に乗せた。米とイランが戦闘終結の覚書で合意したと伝わり、人工知能(AI)・半導体関連を中心に幅広く買いが先行した。株価は好業績を織り込んだ水準まで上昇してきたとして、当面は上昇の勢いは一服し、高値圏での推移を維持する「高原状態」になるとの見方もある。

日経平均は3日につけた史上最高値を更新し、一時3538円超高の6万9558円に上昇した。市場では、前週末のスペースXの新規株式公開(IPO)を経た米株高もあって「今回の和平合意がなくても株価は上昇しやすかった」とT&Dアセットマネジメントの浪岡宏チーフ・ストラテジストは指摘する。そこに和平合意の好材料が重なったことでリスクオンが強まっており「一時的に大台の7万円にタッチする可能性はあるだろう」(浪岡氏)との見方もある。

米標準油種のWTI先物が80ドル台に4%超下落し、米長期金利が一時4.42%付近に低下する中、国内の長期金利が2.57%に低下したことも株価には追い風となっている。ハイテク株比率の高いナスダックの先物が時間外取引で1.6%超高となっており、こちらも投資家心理を支援している。

この日の債券市場では円債先物が前営業日比62銭高の128円42銭まで上昇。10年債だけでなく20年債利回りも前営業日比7.5ベーシスポイント低下の3.445%をつけた。

東証プライム市場では8割超の銘柄が値上がりし、幅広く買われている一方、日経平均への寄与度上位には、東京エレクトロンやソフトバンクグループ、アドバンテストといったAI・半導体関連株が並び、3銘柄で上昇幅3000円の半分程度の寄与となっている。

電子部品のTDK、半導体素材の信越化学工業、フィジカルAIのファナックなども日経平均の上昇に寄与し、寄与度10位までの全銘柄がAI関連株となっている。TOPIXも史上最高値を更新したが、AI関連株の寄与度の大きい日経平均とTOPIXの比率を示すNT倍率は一時17.26倍となり、取引時間中の過去最高を更新し、AI偏重の相場つきが継続していることが示された。

<くすぶる不透明感、日経平均は「高原状態」か>

もっとも、市場では「ホルムズ海峡の通航再開など合意が履行されるか、引き続きみていく必要がある」(三井住友銀行の宇野大介チーフストラテジスト)と慎重な見方は根強い。イスラエルによる合意破りがないかといったリスクへの警戒のほか、機雷除去の問題や石油インフラの回復に時間がかかりそうなことへの懸念などもあり「石油の流通は再開しても、コスト高は続くかもしれない」(みずほ証券の山本雅文チーフ為替ストラテジスト)との見方がある。

外国為替市場では、和平合意の報道を受けてドルが一時売られ、朝方には対円では160円前半から159円後半に下落したが、下げ幅は限定的で、足元では再び160円台に回復している。三井住友銀の宇野氏は、原油先物価格やドル/円は米イラン紛争前の水準まですぐには戻らず、これまでに醸成されたインフレの解消には時間を要するとみており、世界的に金利低下余地は限られるとの見方を示している。

日経平均は「当面は高原状態ではないか」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の大西耕平上席投資戦略研究員)との見方がある。大西氏は7万円へのワンタッチはあるとみるが、すでに好業績を織り込んだ株価水準でもあるとして「さらなるアップサイドへの急ピッチな上昇は限られそうだ。一方、業績の裏付けがあるため、下値も限られるだろう」と話している。

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