[ロンドン 11日 ロイター] - 英国のヒーリー国防相は11日、軍事関連支出を巡る政権内の対立から辞任を表明した。政権が策定している防衛投資計画の財政確保案が「危険な時期に国防に必要とされる水準には程遠い」とするスターマー首相宛ての書簡を公表した。スターマー氏への退任圧力が強まる中、今回の突然の辞任表明は政権にとってさらなる打撃となりそうだ。

防衛計画は、軍装備や運用に向けた資金を確保し、軍の「実戦即応態勢」確保を目指すもの。財政がひっ迫する中での国防費拡大要求を巡り、国防省と財務省が数カ月にわたり協議を続けており、昨年公表される予定だった策定作業が遅れている。

防衛業界は長期的な投資ができないとして計画の遅れを非難する一方、スターマー氏は10日、来月上旬に開催される北大西洋条約機構(NATO)首脳会議前に発表する考えを示していた。

英軍幹部らは、ロシアによる英領海への侵入が頻発する中、高まる脅威に対応するために計画が必要だと強調。米国が防衛の軸足を欧州から移しつつある一方、米・イスラエルとイランの対立が激しくなる中で、英軍の即応能力の不備が露呈している。

スターマー政権では、保健・社会福祉相だったストリーティング氏が5月に辞任した。グレーターマンチェスター市のバーナム市長は、与党労働党で党首選が実施された場合には出馬する考えを示唆している。

Reuters Copyright (C) 2026 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。