David Ljunggren Promit Mukherjee
[オタワ 10日 ロイター] - カナダ銀行(中央銀行)は10日の政策会合で、市場の予想通り主要政策金利を2.25%に据え置いた。エネルギー価格の上昇が広範なインフレを助長しているという証拠は限られているとした。5会合連続の据え置きとなった。
ただマックレム総裁は、インフレを抑制するため、必要であれば躊躇(ちゅうちょ)なく利上げを行うと改めて表明した。
同中銀は「これまでのところ、エネルギー価格の上昇が他の消費者物価に広く転嫁されているという証拠は限られている。戦争が短期的に総合インフレ率に及ぼす影響を引き続き注視しているが、エネルギー価格の高騰が持続的なインフレにつながることは容認しない」と述べた。
ロイターが2―5日に実施した調査では、エコノミスト34人全員が10日の金利据え置きを予想した。また全体の80%強に当たる28人は、4月調査と同様に年内いっぱいの据え置きを予想した。
しかし、金融市場では依然として12月に25ベーシスポイント(bp)の利上げが1回実施されるとの見方が強まっている。
マックレム氏は、今回の戦争は金融政策当局者にとってジレンマを生じさせていると指摘した。インフレ抑制のために金利を引き上げれば経済成長がさらに鈍化する可能性がある一方、成長を支えるために金利を引き下げればインフレ率が持続的に高止まりするリスクが高まる。
会見の冒頭でマックレム氏は「今のところ、政策金利を据え置くことで、これらのリスクのバランスが取れる」と述べた。
エコノミストらは、今後予定されているUSMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)の見直しが、経済に最も大きな不確実性をもたらしていると指摘している。
マックレム氏は、米国がカナダに対して大幅な新たな貿易制限を課した場合、同中銀は利下げを余儀なくされる可能性があると改めて述べた。一方で、エネルギー価格の高騰が全般的なインフレにつながった場合、「政策金利の連続的な引き上げが必要になるかもしれない」とも述べた。
CIBCエコノミクスのシニアエコノミスト、アンドリュー・グランサム氏は顧客向けノートで「きょうの声明は、経済に対するリスクがどう展開するかを見極めるための時間が十分にあるという、非常に忍耐強い姿勢を示すものだった」と指摘。その上で「われわれは、年内の金利変更はないと引き続き考えている」と述べた。