<中国アニメは本当に日本の脅威となるのだろうか。話題作『傘少女』と、中国国内で爆発的人気を誇るCG大作『ナタ』を手掛かりに、中国アニメ産業の実力と課題を考える>
日本で6月19日から公開される『傘少女』というアニメ映画を見た。舞台は古代中国、支配者の貴重な工芸品を保管する「秘宝閣」。由緒ある文物に宿った精霊の悲哀を、美麗なキャラクターや美しい手描き背景で描くファンタジーだ。
古代中国が舞台の本作は中国で制作されているのだが、映画を見てすぐに全編が日本アニメのスタイルで表現されていることに気付く。作品の題材を意識しなければ日本の手描きアニメと区別がつかない。
近年、日本アニメの世界的な人気が盛り上がりを見せる一方、海外ライバルの成長、脅威論が話題になっている。日本の下請けを多く引き受けてきたアジアの国々が技術を吸収し、日本と同等、もしくは上回るアニメ作品を作り出すのではないか。
家電や半導体で起きた産業敗北が、コンテンツ産業でも繰り返されるのではないか、というわけだ。
実際に『傘少女』の出来栄えは素晴らしい。作画と呼ばれる映像作りは、日本の上位クラスのスタジオと比べても遜色がないし、テンポがよく、ハラハラする展開で作品にぐっと引き込まれる。
『傘少女』に限らず日本がこれまで得意としてきた2D手描きアニメの分野で中国の成長は著しい。2019年に日本で公開された猫が主人公の映画『羅小黒戦記』は、日本のアニメスタッフから絶賛されている。
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