Rajesh Kumar Singh Joe Brock
[リオデジャネイロ 7日 ロイター] - 米ユナイテッド航空は、燃料価格の高騰により経営状態の悪化した競合他社が窮地に陥った場合、空港のスロット(発着枠)やゲート、その他の資産を買収することには引き続き意欲的だが、アメリカン航空への合併打診が失敗に終わった今、大規模な業界再編を追求する公算は乏しい。スコット・カービー最高経営責任者(CEO)が7日、ロイターに語った。
4月にカービー氏は、合併案をアメリカン航空に持ちかけたが、同社は交渉に応じなかったと述べている。アメリカン航空のロバート・アイソムCEOは、提携は反競争的であり顧客にとって不利益であるとして、この提案を拒絶した。
こうした中で国際航空運送協会(IATA)の年次総会が開催されたリオデジャネイロでインタビューに応じたカービー氏は「ユナイテッド航空にとって(他社との)統合はありそうにない。資産を買収するために市場にとどまり続けることに変わりはないが、統合が実現する確率は低い」と語った。
カービー氏は、アメリカン航空との取引は消費者に利益をもたらしたはずだとして、その妥当性を擁護。ただこれほど大規模で型破りな取引は、相手側であるアメリカン航空の経営陣の支持なしには完結できないと述べた。
そして労働組合、株主、顧客はこの取引を支持したはずだと考えているものの、アメリカン航空の経営陣が公に反対を表明したことで、取引は非現実的になったと説明した上で「経営陣が公式に『反競争的だ』と記録に残る形で発言している状況では、(取引を)進めることはできない」と付け加えた。
ユナイテッド航空がアメリカン航空との統合を諦めたのか、あるいは将来的に再びこの構想に戻る可能性があるのかと聞かれたカービー氏は、いかなる取引も「協力的なパートナー」が必要だと繰り返すにとどまった。
またカービー氏は合併案の一環として米政府に「黄金株(拒絶権付き株式)」を付与することについてトランプ政権と協議したという話を否定した。
燃料価格高騰問題に関してカービー氏は、運賃の値上げによって損失を年後半には完全に回収できる見込みだと述べ、航空券価格の上昇にもかかわらず需要が堅調なことに自信を示した。
複数の航空会社幹部からは、燃料価格のショックが強い航空会社と弱い航空会社に業界を二分しているとの声が出ている。カービー氏はこの格差を「顧客のロイヤリティー(忠誠心)を持つ航空会社」と「依然として主に価格で競争している航空会社」の違いだと定義して見せた。
一方、カービー氏は、米大手航空会社が競争を排除しているというIATAのウォルシュ事務局長の批判を退け、ユナイテッド航空とデルタ航空が勝利しているのは、旅行者が価値を認めるブランドや製品に投資してきたからだと主張した。
カービー氏は「顧客が重視するのはテクノロジー、サービス、信頼性、そして製品だ。彼らは素晴らしい体験を求めているのであり、単なる座席を求めているのではない」と言い切り、ユナイテッド航空の優位性はバランスシートよりも営業利益にあり、それによって同規模の競合他社が損益分岐点付近で苦しむ中で、投資を継続できているとの考えを示した。
米格安航空会社(LCC)のジェットブルー航空が破産申請した場合、ユナイテッド航空にとって買収対象としての魅力が増すかと聞かれたカービー氏は、ジェットブルーの現金保有量や担保設定のない資産を引き合いに出し、そのシナリオは起こりそうにないと答えた。