キューバには今も60年以上前の知識人たちを魅了した「何か」がある
まるで1960年代から21世紀の世界へ飛んできたタイムカプセル。そこにジャンポール・サルトルやシモーヌ・ド・ボーヴォアール、ガブリエル・ガルシア・マルケスの姿はなかったが、代わりに孫世代の若者たちがいた。かつてスペインの左派政党ポデモスを率いたパブロ・イグレシアスがいて、アメリカの下院議員でイスラム教徒のイルハン・オマルの娘がいて、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥーンベリがいた。英労働党の元党首ジェレミー・コービンもいた。
67年前のキューバ革命が、今もヨーロッパやアメリカ、そしてラテンアメリカの人たちの想像力を刺激し続けている証拠だ。しかし彼ら・彼女らの1人として、電気もガソリンも飲み水も薬もせっけんも歯磨きもトイレットペーパーもない場所で、2日か3日以上生き延びることはできまい。ましてや、そこに住もうとは思うまい。
それでもキューバには今も、60年以上前の知識人たちを魅了したのと同じ何かがある。その「何か」こそフィデル・カストロの、唯一の遺産なのだろう。
※この記事は後編です。前編「キューバに対して強硬姿勢を崩さないトランプによって、搔き消える『キューバ革命伝説』の灯」はリンクからご覧ください。
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