アメリカに立ち向かう英雄的かつ利他的な抵抗と受け止められる

医療の進歩も同様だ。ワクチン接種は国民の大多数に無料で実施され、平均寿命は大幅に延び、乳児死亡率も著しく低下した。ブラジルでは公立病院の受診が無料など、多くの国民に一定の医療が提供されている。

要するに、中南米全体のここ数十年の教育・医療レベルは、キューバ信奉者が考えるほど悪くない。

また、キューバの統計には単純に比較できない面もある。多くの分野で、国際的な評価や比較の枠組みを採用していないためだ。

教育に関して言えば、キューバはOECD(経済協力開発機構)の国際学習到達度調査(PISA)に参加していない。ユネスコ(国連教育科学文化機関)の持つデータの大半はキューバ当局の申告したものだ。医療統計も同様で、WHO(世界保健機関)の統計はおおむねキューバ政府の申告に基づく。

そして3つ目。筆者はこれが最も重要と思うのだが、キューバは一貫して民族主義的、そして(彼らの用語を借りれば)「反帝国主義」的な姿勢でアメリカに接してきた。

この対米姿勢は扇動的な反米主義とも言えるが、中南米やヨーロッパ、アフリカでは、第2次大戦後の世界を牛耳る悪の権化たるアメリカに立ち向かう英雄的かつ利他的な抵抗と受け止められてきた。

キューバは各国の反米エリートにとっての「希望の星」
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