自分と家族だけが税務上の特別扱い

トランプ政権は、トランプ大統領が自身の納税記録流出をめぐって米国内国歳入庁(IRS)に対して起こした訴訟の和解金を原資とする約17億7600万ドルの基金創設を発表した。連邦政府から不当に標的にされ訴追されたと主張する人々への補償を目的とするという。

AP通信によれば、この基金からは2022年1月6日の連邦議会襲撃事件で有罪となった人々を含む大統領の支持者に補償金が支払われる可能性がある。

政府によって不当な扱いを受けたと主張する人々を救済する制度は、すでに米国の司法制度の中に存在する。この新たな基金は法の支配を迂回し、納税者の資金を政治的支持者へ振り向けるものだ。

AP通信とロイター通信はまた、この和解によって、IRSがトランプ大統領やその息子たちおよび関連企業に対し、和解以前に提出された税務申告書についての調査や追及を行うことが禁じられると報じている。

これには過去の申告、すでに監査中だった案件、今後審査対象となり得た案件も含まれる。

独立宣言の年を想起させる「1776」から取ったと思われる17億7600万ドルという愛国的な数字の演出を取り払えば、これは露骨な腐敗にほかならない。

大統領は自身の権力を使って、政府を政治的支持者への給付機関に変えようとしている。そして、自身と家族に対し、一般の米国民には認められない税務上の特別扱いを手に入れようとしている。

大統領の倫理問題はこれまで、個別の問題として片付けられてきた。外国政府からの支払い、家族による暗号資産ビジネス、政治的盟友への恩赦、公職を利用したブランド拡張などだ。

犯罪者に政府が小切手を切る
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