そして今は2026年で、僕たちは医師による4日間のストを目の当たりしている。この種のストはこれで16回目だ。彼ら医師は、より良い賃金と労働条件を要求するにはうってつけの地位にいる。なぜなら第一に、NHS(国民保健サービス)が国営だからだ。

手術や診察が中止されたり延期されたりすると、人々は現政権を責めがちだ。医療機関の長い待機リストは選挙に響くから、政府にしてみればストに屈してしまう強い動機がある。

第二に、NHSは事実上の独占組織なので、ストに参加せず働いている医師がいるよそのところに顧客(患者)を奪われるという危険もない。人々が医療を必要としなくなることはあり得ないし、高額な私立病院に行く余裕のある人も少ない。雇用主が事業をたたんでスロバキアに移転する、なんてこともない。

政府はインフレ率を上回る賃上げを提示しているが、医師たちは何年も前(金融危機以前)の時代を持ち出して、「実質所得」は今もあの時を大幅に下回っていると言う。要するに、「賃金は常に、素晴らしく気前良かった瞬間を上回るものであるべきだ」ということらしい。

賃金がそこまで高かった時も、医師たちが「これは素晴らしい、ありがとう」と言っていたとは到底思えない。その時はその時で、もっと賃金のいい別の業種を比較対象にしていたことだろう(書類を書いて少しばかりの交渉を行う離婚弁護士よりも、命を救う医師の時給のほうが30%も低いじゃないか!とか)。

そして、20年前の賃金が実質ベースで再現されたとしても、すぐにこんな声が上がるだろうことは間違いないと思う。「でも当時よりも医師に求められるものはずっと大きくなっているから、賃金にもそれを反映してもらわなければ」

医師は無私で働きすぎでコスパ悪い?
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