日経平均株価が再び最高値を更新して終わった5月相場。3月期企業の決算発表を通過し、AI関連相場も、これまでの期待先行から銘柄選定がより重要な局面に入りつつあります。半導体材料やデータセンター関連など「AI社会を下支えする企業」にもすでに投資マネーが向かい始めています。

これから始まる6月相場では、実際に利益成長が見込める企業を選別する動きが強まりそうです。その有力候補のひとつが味の素<2802>です。そう、うま味調味料でおなじみの、あの味の素。実はいま、株式市場では「AI関連銘柄」として大きな注目を集め始めているのです。

AIで味の素が注目される理由

AI関連銘柄としての味の素の強みは、生成AI向け半導体に欠かせない特殊素材「ABF(味の素ビルドアップフィルム)」です。半導体内部の信号を安定して伝えるために使われる絶縁材料で、AI向けGPU(画像処理装置)の高性能化に欠かせない素材とされます。

生成AIブームを受け、AI向けGPU需要は急速に拡大しています。その中で大型化・高性能化も進み、1枚あたりに使われるABFも大きく増えています。つまり、AI投資が拡大すればするほど、ABF需要も大きく伸びる仕組みになっています。

高付加価値素材であるABFは、その収益性の高さでも注目されています。圧倒的な世界シェアを誇る味の素では、ABF事業が全社利益を押し上げる重要事業へ成長。食品の安定収益に加えて、半導体素材という高成長事業も持つ企業として、株式市場での再評価が進んでいるのです。

◾️味の素が「AI素材株」になったきっかけ

年初の時点では、味の素は依然として「食品株」としての見方が強い銘柄でした。しかし、2月初めに発表された2026年3月期の第3四半期決算でABFの販売好調が改めて確認され、さらに「物言う株主」で知られる英パリサー・キャピタルがABFの価値に注目したことで流れが変わります。

これをきっかけに、味の素を食品株ではなくAI関連素材株として見直す動きが市場で広まりました。5月発表の本決算ではABF事業の成長期待が改めて意識され、市場では、従来の食品株よりも高いPER水準を許容する動きも強まっています。

味の素が6月に強い理由と、注意すべき投資リスク
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