「ヒロインはどっちを選ぶべき?」

だが、利潤最大化をモットーとする今どきのマッチメーカーが愛に生きるロマンチストに変わっていくプロセスは、経験に基づく自然な変化というよりシナリオの都合に思えてしまう。

魅力的な要素は多い。サントラはインディーズミュージック満載で楽しいし、撮影監督のシャビアー・カーシュナーによる映像はバラ色を帯び、キャストを美しく見せる。

ルーシーの通勤ファッションも垂涎ものだ。あんなブーツを履いてしゃれたオフィスへとマンハッタンを闊歩できるなら、在宅勤務を諦めてもいいくらいだ。

ジョンソンはバレリーナのように手足が長く、髪はシルクのようにつややか。ハリーが「贅沢品」と呼ぶタイプのヒロインにぴったりだ。

対する男性2人はややミスキャストかもしれない。人の良さがにじみ出るパスカルは、世界を支配する大富豪のキャラクターには合わない。エバンスはハンサムすぎて、モテないダメ男に見えない。

とはいえ、どちらもカリスマ性は抜群だから、観客はラブコメに付き物の「ヒロインはどっちを選ぶべき?」という問いを胸に、成り行きを見守ることになる。

提示される答えは映画そのものと同じように、鋭い社会風刺と王道ラブロマンスの中間のどこかにある。心温まる結末だが、考えすぎるとモヤモヤしてしまうかも。

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