恋愛の本質は石器時代から変わっていない
5年前にルーシーとジョンが破局したのは駐車料金をめぐるいさかいが原因だったことが、回想シーンで描かれる。この別れを境に、ルーシーは何不自由ない暮らしを約束してくれる男にターゲットを絞った。そしてハリーと付き合い始めると、贅沢な生活にすんなり慣れる。
映画がハリーをありきたりな悪役に仕立てなかった点は評価できる。ハリーはリッチで洗練され、一見堂々としているが、実は悲しいくらい自分に自信がない。後半で、世の女性が夢見る理想の男になろうと涙ぐましい努力をしてきたことが明らかになる。
一方のジョンは典型的な「負け組」だ。30代後半の売れない役者に婚活市場で高値が付かないことは嫌というほど自覚しているが、俳優業(とルーシー)に夢中で何も手を打たない。
三角関係を打開するのに変わらなければならないのは、2人の男ではなく独りよがりなルーシーだ。
実際、さまざまな出来事が重なり彼女は変わっていくのだが、その過程は説得力に乏しい。しかもクライアントの身に降りかかる痛ましい事件が大きな転機になるとあって、倫理的にも納得がいかない。
映画の最初と最後では、石器時代の求愛が描かれる。原始人の男女が言葉を介さずに花の指輪を交換し、おずおずと抱擁を交わすのだ。恋愛の本質はこの頃から変わっていないと言いたいのだろう。
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