Tamiyuki Kihara
[東京 28日 ロイター] - 自民党の成長戦略本部は28日朝の会合で、高市早苗政権が経済政策の柱に掲げる危機管理投資や成長投資の資金調達手段として、「つなぎ国債」を盛り込んだ提言案を提出した。つなぎ国債は特例公債と異なり、償還財源の確保を前提とする国債で、提言案は債務残高対国内総生産(GDP)比や基礎的財政収支(プライマリーバランス)といった財政健全化の指標とは別枠で管理すべきとした。
国債の金利上昇が続く中で市場に配慮した形。「責任ある積極財政」を掲げる高市首相は25日に補正予算の編成を表明した際も、「マーケットに影響を与えることなく実行可能」だとし、「引き続き市場の信認を確保していく」と強調した。
提言案は、危機管理投資と成長投資を拡大するため通常の歳出とは別の新たな投資枠の創設を政府に促した。経済安全保障上、特に重要な分野への投資については、複数年度で財源を確保した上で別枠で管理する手法を検討するよう求めた。
会合に出席した議員によると、成長戦略本部はこの日出た意見を反映して文章を修正し、後日最終案をまとめる。
提言案は、スタートアップや中堅・中小企業の稼ぐ力の強化など特に民間企業の投資を引き出す取り組みについて、「成長投資として新たな投資枠の対象にすべき」と指摘。特に防衛力強化とスタートアップによる技術革新の好循環を生み出すため、「防衛省において、スタートアップに期待する技術分野の定期公表や、スタートアップと大企業、国立研究開発法人・大学との連携強化にも取り組むべき」とした。
また、企業の収益をめぐり、「現預金の増加ではなく、将来の成長に向けた人的投資や設備・研究開発投資の資金として積極的に活用するための政策対応を強化すべき」とし、AI(人工知能)や半導体など17の戦略分野への投融資について、「官民で意見交換を行う場の設置や成長資金の供給拡大を図るための方策を検討する」よう求めた。
貸金業の規制を見直し、日本で銀行免許がない外国銀行の協調融資への参加や、健全なプライベートデットファンドの参入促進も盛り込んだ。