アメリカの限界

究極の目標、それはAGI(人工汎用知能)だ。中国は複数の経路でAGIを追求しており、その中核にデータがあるとウェーバーは続ける。

「アメリカはチャットGPTのようなシステムに主眼を置いている。そうしたシステムをスケールアップして性能を向上させるために、インターネットで利用可能なデータをかき集める。しかし、収集できるデータの量はかなり限られていて、いずれ限界が来る」
 

「中国も同じようなことをしてきたが、彼らは同時に、現実世界に根差したデータセットの構築にも非常に力を入れている。工場の外で働くロボット、道具を使うロボット、人と一緒に仕事をするロボット、家庭に導入されるロボット。こうした環境でロボットが直面する状況は無限にあって、実質的に無限のデータエコシステムを構築できる」

それはアメリカにとって厳しい現実でもある。

「私たちは競争にもっと真剣に臨まなければならない」とウェーバーは警鐘を鳴らす。「大規模言語モデル(LLM)だけでなく中国のAI全体の進歩を、正確に評価する必要がある。私たちは誰と競争しているのか、彼らはどのくらい進んでいるのか、どの分野でさらに加速しなければならないのか。そして、中国では何がうまくいっていて、何がうまくいっていないのか」

「中国はアメリカの大学や企業で何が起きているのかを詳細に把握している。それに対し私たちは、中国で何が起きているのか、彼らがどのくらい先にいるのかを知らない。マラソンを走っていて、相手が前にいるのか後ろにいるのか、それすら分からずに競っているようなものだ」

中国にとってAIは「経済停滞からの脱出口」
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