<「友好に始まり、気まずさに終わる」。先日のトランプ大統領の訪中は結局、両国間に刻まれた強い警戒心と不信感を浮き彫りにしただけだった>

全世界が注目したトランプ米大統領の訪中は、習近平国家主席ら中国側の「熱烈歓迎」と、それを喜ぶトランプら訪問団という心温まる演出でスタートした。しかし、関係は次第にぎくしゃくする。

両国の不和・不信を象徴する興味深い話題が2つあった。1つ目は、トランプ訪中団に同行したイーロン・マスクのX(旧ツイッター)への投稿と返信。2つ目はトランプ訪中団が帰国便への搭乗直前、中国側からの贈答品を全て廃棄した件だ。
 

まずマスクの件。フォロワー数約223万人の国外在住中国人インフルエンサー「李老師不是你老師」(李先生はあなたの先生ではない)がXに「マスクが幼い息子に中国の伝統衣装を着せた」と投稿すると、マスク本人が中国語で「私の息子は普通話(標準中国語)を勉強中」と返信した。

「米中友好の象徴」「アメリカ人の中国重視」だと、中国官製メディアは即座に飛び付いた。だが、マスクが返信した「李老師不是你老師」が海外の中国反体制派の代表格であることが分かると、一転して記事を削除しSNSで「話題封鎖」を始めた。中国政府は自由な情報流入に極めて神経質で、超VIPであるマスクの「友好アピール」も、容赦なく遮断する。

一方、ホスト国の中国側はトランプ訪中団を招いて人民大会堂で最高級の晩餐会を開き、中国文化を象徴する精巧な贈り物や記念章を用意した。しかし、一行は帰国便に搭乗する直前、中国側から贈られた出入証、代表団バッジ、さらに訪中期間中のみ使用した臨時携帯電話をゴミ箱に破棄した。アメリカの安全保障部門は、中国の「お土産」に仕込まれ得るスパイ機器に根深い不信感を抱いている。

「李老師」が誰か、中国メディアは今やよく知らない
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