メリットとリスク
キューバは、1959年のフィデル・カストロ氏による革命以来、数十年にわたり米国の敵対者となってきた。トランプ大統領は、長年米国主導の体制転換を求めてきた南部フロリダ州の強硬派キューバ系米国人から強力な支持を受けており、彼らの故郷に変革が起きることを望んでいると明言している。
かつてキューバは、フロリダからわずか90マイル(144キロ)という米国にとって不快なほど近い場所にあり、脅威を及ぼす旧ソ連の衛星国とみなされ、最近では西半球における中国の影響力の潜在的な拠点と認識されている。ただ旧ソ連崩壊以降、ロシアの関心が他の地域に移ったこともあり、経済問題を抱えるキューバが米国に対抗する能力は弱まった。
一方で専門家は、キューバの不安定化は移民危機を引き起こす恐れがあると指摘している。キューバ国民は米国の封鎖により電力供給がほとんどない状態で生活しており、戦争や混乱が起きた場合には島を脱出することを選択する可能性があるからだ。
その上キューバ軍はベネズエラよりもイデオロギー的に強固で結束力があり、反撃に出る可能性が高いとされる。1月にマドゥロ氏の警備に当たっていた数十人のキューバ工作員がベネズエラで殺害されたが、生き残った工作員らはその急襲から米軍の作戦行動を学んだはずだ。
キューバはロシアや中国との長年の協力関係を経て、監視や情報収集活動の面でもより進んでいるともみられる。
キューバは米国に何をもたらすか
ベネズエラは天然資源が豊富であり、米国企業は輸出が急増しているベネズエラでの石油生産事業に参入しようと列をなしている。
これに対してキューバには同様の資源はない。国営の観光産業は、今年の急激な冷え込み以前から、価格と質の面で他のカリブ海の目的地に後れを取ってきた。こうした落ち込みは、トランプ氏の「最大限の圧力」キャンペーン、米国の封鎖、燃料を提供する国々への関税の脅しに伴う物不足によって悪化している。