「文化である科学」をみんなで支える
茜 先生の財団も若手にお金を渡すだけでなく、たとえば微生物コンソーシアムなどの様々な研究者と出会える場作りをされていますよね。若手が先輩研究者の背中を見て、目指すべき姿とか、「基礎研究をずっと続けても楽しそうだな」「研究者になると自分が満足できる人生を送れるのだな」なんて思っていたらいいですね。
研究費についても、大隅先生の活動が国や企業だけに頼るのではなく、一般の方の寄付やクラウドファンディングなども含めて、みんなで文化である科学を支えるというという価値観を醸成する場となることをお祈り申し上げます。本日はありがとうございました。

インタビューを終えて
筆者がはじめて「ノーベル生理学・医学賞の大隅先生が、自分のノーベル賞の賞金を原資にして基礎科学研究を支援する財団を作っている」と聞いたとき、少し不思議な感覚を持ちました。
「これだけオートファジーが医学・創薬で注目されている時代なので、著名な大隅先生が自分自身でお金を出さなくても、望んだら企業や大学が先生の名をつけた研究基金を作ってくれるのではないか」と思ったからです。このインタビューを通じて、「役に立たない」基礎科学は想像以上に理解や研究資金を得ることが難しいことを知りました。
ノーベル賞受賞という金字塔を打ち立ててなお研究への情熱を持ち続け、日本の基礎科学を取り巻く環境に警鐘を鳴らし、自らの財団で支援し続ける大隅教授は、威厳がありながら他者の活動や思いに熱心に耳を傾けるとても話しやすい先生でした。基礎科学研究やその支援について大隅先生と志を同じくする方は、ぜひ対話の機会を作ってみてください。
今後、大隅基礎科学創成財団から基礎科学支援の輪が広がり、研究面では末永く「シニア研究者の星」として活躍し、酵母のオートファジーと液胞の謎がすべて解き明される未来が来ることを願っています。
大隅基礎科学創成財団のクラウドファンディング
「基礎研究の裾野を広げよう、未知の課題に挑戦する研究支援プロジェクト」
※支援募集は5月22日(金)午後11:00まで
https://readyfor.jp/projects/ohsumi-fsf