Mia MacGregor

[18日 The Insurer] - 米保険大手ハートフォードが米大手・中規模企業経営者500人超を調査した報告書「2026年版リスクモニター」で、事業上の懸念事項(複数回答)として最も多かったのがサイバー攻撃、インフレなどの経済動向でそれぞれ77%に上った。

続いて規制環境とコンプライアンス(法令順守)、サプライチェーン(供給網)の混乱がそれぞれ67%だった。従業員の負傷リスクが63%、人工知能(AI)および生成AIの役割が53%となった。

報告書は、インフレへの懸念は貿易政策、地政学的な不安定性、人件費といったいくつかの要因によって引き起こされていると指摘。企業が輸入コストの上昇分を消費者に転嫁すれば、関税が再び物価上昇圧力をもたらす可能性があると言及した。財価格のインフレ率は関税の影響を受けやすく、2025年後半に拡大を始めたと説明した。

地政学的リスクもインフレ圧力の一因となっている。米国とイスラエルのイラン攻撃に端を発した中東での紛争や、ホルムズ海峡での混乱が原油などのエネルギー価格を押し上げ、消費者物価指数(CPI)の上昇をもたらしていると指摘した。特にサービス部門のインフレ率は、人件費上昇が引き続き押し上げ要因になっているとも記した。

今後のインフレ動向は中東紛争の行方と、エネルギー市場に与える影響にも左右されると言及。エネルギー生産や輸送の混乱が長期化すればエネルギー価格が高止まりし、コスト上昇が他の経済分野に波及するリスクが高まる可能性がある。

一方、サイバー攻撃に関しては、2025年にランサ​ムウエア(身代金要求型ウイルス)攻撃が前年より25%増加したとの調査を紹介。AIによってターゲットに応じたマルウェア(悪意のあるプログラム)攻撃や、音声・映像・言語を用いた詐欺の手口がより巧妙になったと指摘した。

ハートフォードのプロフェッショナル・ライアビリティーとサイバーのグローバル責任者、トニー・ドルチェ氏は「AIの利用がランサムウエアの能力を向上させ、リスクを高める可能性があることへの懸念が企業の経営陣から引き続き示されている」と解説した。

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