さらに余談をもう1つ。ウェールズ人の発音は興味深い。
イングランド人にとって、ウェールズ訛りは少し「歌うように」聞こえる。予期せぬような違った場所にアクセントが来るからだ。
1つの典型例が、ウェールズでは一般的な姓(時にはファーストネームにもなる)のMorgan(モーガン)だ。ここのところは、BBCウェールズ特派員のモーガン氏が、同じ姓のモーガン首相について報じていたため、何度も耳にした。
イングランド人は無意識に最初の音節を強く読み、後半を曖昧母音で飲み込むから、「モウグン」という感じになる。対してウェールズでは、普通の「a」の音を保ち、「r」も少し発音し、両音節を均等に強調する。「モウル・ガン」に近い。
僕は、人の名前は本人の発音通りに呼ぶのが礼儀だと思っている。結局は本人の名前なのだから。だがイングランド人がウェールズ風発音をまねると、からかっているようにも聞こえかねない。だから僕にとってモーガンは悩ましい名前だ。
同じことはウェールズという地名そのものにも言える。イングランド人は1音節で「ウェイルズ」と発音する。だがウェールズ人の中には、間に「y」のような音を入れ、「ウェイ・ウルズ」に近い2音節で発音する人もいるのだ。