余談を1つ。ウェールズ労働党党首エルネッド・モーガンは、2024年にウェールズ自治政府で初の女性首相となり歴史を作った。

そして今回の選挙で落選し、別の意味でも歴史を作った。英首相や自治政府首相(スコットランドやウェールズ、北アイルランド)で、現職にして落選した例はこれまでなかった。

それゆえ彼女は、2つの相関的な潮流を象徴している。1つには、女性が権力の座に就く機会が増えていること。そして2つ目には、それと同時に男性政治家と同様の屈辱も味わうようになっていることだ。

イギリス国政で見れば、テリーザ・メイの政権は困難で、短命に終わった。リズ・トラスの政権はさらにとんでもなく短くて混乱に満ちていた。自由民主党初の女性党首となったジョー・スウィンソンも、2019年総選挙で惨敗し辞任した。

僕は、これが有権者が女性指導者を嫌っているとか信用していないせいだからとは思わない(モーガンの落選も、単に労働党が全体的に大敗したからだ)。むしろ、女性のトップ政治家がごく当たり前の時代になったからこそだと思う。

マーガレット・サッチャーのような突出した人物だけがトップに立つ時代ではなくなった。男性政治家より著しく優れているのではなく、男性政治家と「ほんの同程度に」優れている女性リーダーは増えた。だから彼女たちが権力を握ることもあれば、普通に失敗もする。おかしな形だけど、フェミニズムの勝利と言えるかもしれない。

ウェールズ関係の発音は悩ましい
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