Heekyong Yang Heejin Kim
[ソウル 18日 ロイター] - サムスン電子と労働組合は18日、同社史上最大のストライキを回避するため、賃金・報酬体系を巡る交渉を再開した。ストが行われれば、韓国経済を直撃し、世界のサプライチェーンを混乱させる恐れがあるとの懸念が広がっている。
先週行われた政府仲介による第1ラウンドの交渉は決裂した。
一方、韓国の裁判所は同日、サムスン電子が申し立てた仮処分申請の一部を認め、ストによる生産量の減少を招かないよう労組に命じた。裁判所の広報担当者は電話取材に対し、ストによって生産に使用される材料の品質を低下させてはならず、安全性の確保や製品の損傷回避に関連する業務は通常の水準で維持しなければならないと説明した。
同担当者によると、主要2労組がこの命令に従わない場合、それぞれ1日当たり1億ウォン(約7万2000ドル)の罰金を科される可能性がある。労組幹部には1日当たり1000万ウォンの罰金が科される可能性がある。
サムスン電子はコメントを控えた。
労組は声明で、裁判所の決定によってストライキを断念することはないとしたが、交渉には真剣に取り組むとした。
サムスン電子の株価は裁判所の決定を受けて午前の取引で一時6.7%上昇し、総合株価指数(KOSPI)の1.4%高を大きく上回った。
韓国政府はストについて、経済に重大なリスクをもたらす恐れがあるとして、いかなる手段を講じても回避すべきとの姿勢を示している。
李在明大統領は同日のSNS投稿で、労働者の権利と同様に経営権も尊重されるべきだと主張。「自由民主主義の秩序と資本主義の市場経済を採用している韓国では、労働は事業と同じくらい尊重されるべきであり、同時に、企業の経営権は労働者の権利と同じくらい尊重されるべきだ」と述べた。
金民錫首相は17日、ストを阻止するため緊急仲裁を含むあらゆる選択肢を追求すると述べた。
緊急仲裁命令は、労働争議が国家経済や国民生活を損なう恐れがあると判断された場合に雇用労働相が発動できる。中央労働委員会が調停や仲裁を行う間、ストなどの労働争議行為は30日間禁止される。
労組は17日、圧力には屈しないとし、会社側がこれまでより不利な条件を提示した場合には合意に応じないと表明した。
労組は組合員4万5000人超による21日からの18日間のストを予告しており、人工知能(AI)データセンターやスマートフォン、ノートパソコンに不可欠なメモリー半導体の生産が混乱する恐れがある。
地元メディアによると、政府仲介による労使交渉は19日まで続く見通し。