Leigh Thomas
[パリ 18日 ロイター] - 主要7カ国(G7)は18日から2日間、フランス首都パリで財務相・中央銀行総裁会議を開催している。地政学的な見解の相違がG7の結束を試す脅威となっていても、世界的な経済緊張に対する取り組みや重要鉱物の供給調整を巡って合意点を見つけ出そうとしている。
初日の会合で、各国財務相らは、イラン戦争に伴うインフレリスクへの懸念で債券が売り込まれる中、公的債務と債券市場の乱高下に対する懸念の高まりを認識した。
18日も世界的に債券相場の下落が続いた。エネルギー価格の上昇がインフレを加速させるとの懸念から、投資家が中央銀行の利上げを織り込む動きを強めている。債券市場が崩壊しているのかとの質問に対し、フランスのレスキュール経済・財務相は「調整局面にある。崩壊しているとは言わない」と述べた。レスキュール氏は会議に到着した際、記者団に「公的債務が問題にならない時代はもはや終わった」と語っていた。
こうした中、片山さつき財務相は、金融市場の動向について「投機的な動きがみられる」と言及。「引き続き警戒を続ける必要がある」と述べた。為替相場の状況に関し「必要に応じて適切に対応する」との考えを改めて示した。
<G7内の対立>
G7財務相は世界的な経済緊張への取り組みや重要鉱物の供給調整で合意点を模索しているが、G7内の対立が結束を示す取り組みを複雑にしており、各国財務相は6月15─17日にエビアンで開かれる首脳会議の地ならしを進めている。
パリで議題の核心となるのはフランスのレスキュール経済・財務相が根深い世界経済の不均衡と表現した現状についてだ。レスキュール氏によると、そうした不均衡が貿易摩擦をあおるとともに金融市場を混乱させる急変動を生じさせるリスクがあるという。
レスキュール氏は「世界経済が過去10年ほどの間に発展してきた状況は明らかに持続不可能だ」と述べ、中国が内需不足、米国が過剰消費、欧州が投資不足という不均衡のパターンを指摘した。
会議の準備にかかわったフランス政府高官は貿易と資本フローの不均衡に対して、双方がそれぞれ一定の責任を負っているという点に同意するだけでも成功と言えるだろうと述べたが、米側は難色を示す可能性が高い。
G7財務相会議に先立って、トランプ米大統領と中国の習近平国家主席が北京で首脳会談を開催したが、台湾と貿易を巡って緊張がくすぶり続けたため具体的な経済上の進展をほとんどもたらさなかった。
各国財務相は首脳会談を受けた米中関係の状況や、ホルムズ海峡の再開に向けた米国の取り組みについて報告を求める見通しだ。
ベセント米財務長官は訪中が非常に成功したと述べた上で、イランの「戦争マシン」を標的にした制裁にG7が足並みをそろえるよう求めると語った。
<重要鉱物の依存度低減>
もう一つの優先事項は重要鉱物とレアアース(希土類)だ。G7各国政府は電気自動車(EV)、再生可能エネルギー、防衛システムのような技術にとって不可欠なサプライチェーン(供給網)を支配している中国に対する依存度を引き下げる取り組みの調整を試みている。
レスキュール氏はG7が市場を監視しつつ供給混乱を予測し、同盟国経済にまたがる共同事業などを通じて代替供給源を開発するためにより強力な連携を推進すると説明。「いかなる国も再びそのような原材料の独占権を持てないようにする」ことが目的だとしている。
G7各国が目指すのは、市場を安定させて国内投資を促進するため、生産者向けの価格下限の設定、共同購入、さらに関税などの共通の対策手段についての合意だ。