Alexander Tanas
[キシナウ 17日 ロイター] - ロシアのプーチン大統領がモルドバ東部の親ロシア派地域トランスニストリアの住民を対象にロシア国籍の取得手続きを簡素化する大統領令を出したことを受け、モルドバの指導者らは16日、威嚇だとして非難し、対抗措置の検討に入った。
トランスニストリアはモルドバがソ連構成国だった1990年に同国から分離した。約1500人のロシア軍部隊が駐留し、ロシアから多くの支援を受けている。
プーチン氏は今回、トランスニストリアの住民35万人が居住要件などを満たさなくてもロシアのパスポートを取得できるようにする大統領令を発令した。住民の約半数はすでにロシア国籍を保有している。
モルドバのサンドゥ大統領は16日の会議で「ロシアはおそらく、ウクライナでの戦争に送り込む人員を増やしたいのだろう」とし、「われわれを再び威嚇する手段の一つだろう。ロシアは経済・金融分野における再統合に向けたわれわれの取り組みを快く思っていないからだ。トランスニストリア地域の人々はよく考えなければならない」と述べた。
また、戦争勃発以来、同地域の住民の多くが「より安全だと感じる」ためにすでにモルドバのパスポートを取得していると述べた。
モルドバのムンチャヌ首相は15日、ロシアのドローンによるモルドバ領空の侵犯を巡り抗議するためロシア大使を呼び出しても全く効果がなかったとして、政府が具体的な措置を検討していると述べた。
ウクライナのゼレンスキー大統領はプーチン氏の大統領令について「ロシアがトランスニストリアをあたかも自国の領土であるかのように指定する」ことに等しいとし、ウクライナとモルドバが「共同の評価と共同の行動」を策定すると述べた。
ロシアのオゼロフ駐モルドバ大使は国営タス通信に対し、大統領令はモルドバによる「トランスニストリアへの圧力強化」を受けた人道的措置だと説明した。