Isla Binnie Suzanne McGee Akash Sriram

[ニューヨーク 15日 ロイター] - ロイターが米証券当局に提出された資料を分析したところ、年初から3カ月間のリスク回避姿勢の高まりで打撃を受けた一部プライベートクレジット(ファンドなどを通じた融資)のファンドに対し、機関投資家がおおむねエクスポージャーを引き上げていたことが分かった。

KKRやブルー・アウルなどプライベートクレジット事業を大々的に手掛けるオルタナティブ資産運用大手はこの数週間、プライベートクレジットで中心的な戦略となっているダイレクトレンディング(直接融資)に対する関心が機関投資家の間で再燃していると指摘している。

分析に使ったのは、機関投資家のポートフォリオの持ち高を部分的に把握できる数少ない手段の1つである「13F」報告書。データは3月31日時点のもので、その後のポートフォリオ変更は反映されていない。

ロイターは、主に個人向けだが機関投資家も投資可能な債券型ビークル「ビジネス・デベロップメント・カンパニー(BDC)」に対する機関投資家の保有状況を精査した。機関投資家は一部の保有資産についてのみ開示義務があり、プライベートクレジットの大半は未上場ビークルなどで運用されているため、13Fのデータで把握できるのはエクスポージャー全体のごく一部に過ぎない。

分析によると、2026年3月末時点で6000余りの資料提出者の11.5%が、対象となる上場ファンド45銘柄で保有を増やしていた。これに対して、これらのプライベートクレジット関連ビークルで持ち分を減らしたのは3.2%にとどまった。また、第1・四半期中に新たにポジションを構築した機関投資家は279に上った。

一方、運用大手の最新の四半期報告によると、プライベートクレジットのリターンは鈍化している。KKRとブルー・アウルはクレジット戦略がマイナス圏に沈み、アポロのダイレクトレンディングファンドも直近12カ月の8.5%に比べて0.5%と低い水準にとどまった。

KKRの共同最高経営責任者(CEO)スコット・ナットール氏は「この数週間で流れが変わった」と述べ、機関投資家が新規案件におけるリスク・リターンの改善を評価し、「ダイレクトレンディングにやや戻ってきている」との見方を示した。ただ、富裕層市場は「全体から見ればごく小さな資金規模」に過ぎないとも指摘した。

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