リコール公表の遅れに不信感も

スバルは10月23日、品質関連費用の計上を主要因として18年4─9月期の連結営業利益を従来予想の1100億円から610億円に下方修正すると発表した。引き下げた額490億円の大半がリコール費用に充てられるもようだ。

同時に、ユーザーに修理を呼びかけるリコールの公表が業績修正の発表より9日遅れたこと、さらには不具合情報の把握から5年以上も経っていたことに「ユーザー軽視」との批判も上がっている。

業績修正は東京証券取引所、リコールは国土交通省と届け出先が異なり、手続き上の時差が出たためで、スバル広報は「意図的にずらしたわけではない」と説明する。不具合情報への対応の遅れについては「原因究明に時間がかかった」ためといい、「結果的にお客様にご心配をおかけし、世間をお騒がせした」と謝罪している。

大幅コスト上昇の懸念

スバルが直面しているのは品質問題だけではない。完成車だけでなくエンジンなどの部品も日本から輸出している米国で関税が引き上げられれば、収益面でひときわ大きな打撃となる。関税を避ける新工場の建設は投資リスクが大きい。かといって販売価格への転嫁も難しく、大幅なコスト負担は避けられそうにない。

スバルは自動車メーカーの中でここ数年、屈指の収益力を誇ってきた。営業利益率は毎年10%以上を確保しており、18年3月期も11.1%と業界トップの水準だったが、18年4─9月期は4.1%まで低下する。

同社は5日に18年4―9月期の連結決算を発表する。19年3月期の連結予想では、為替影響などによる収益の改善はあるものの、4―9月期の下方修正分はマイナス要因となる。

「品質強化に最優先で取り組む」としてきた中村知美・スバル社長。勢いを増しかねない逆風の中で、収益への悪影響の拡大をどう食い止めるか、厳しい対応を迫られている。

(白木真紀 編集:北松克朗)

[東京 5日 ロイター]
トムソンロイター・ジャパン
Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます
ニューズウィーク日本版 台湾有事の新シナリオ
2026年4月21号(4月14日発売)は「台湾有事の新シナリオ」特集。

米・イラン戦争で変わる地域紛争の「大前提」/石油危機を恐れるべき理由

※バックナンバーが読み放題となる 定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます