前年の雪を残し、蓄え、復活させるスノーファーム
「開業以来83年になるが、こんなに雪の少ない年は初めてだった」。ボガスベイスンのウィルソンはそう言った。アイダホ州だけではない。アメリカ北西部の諸州では深刻な雪不足と記録的な熱波で、3月半ばまでにほとんどの雪が解けてしまった。
ボガスベイスンも「過去10年で最も早い」3月24日に営業終了を余儀なくされた。ロッキー山脈以西のスキー場やカナダ西部のスキー場も同様だ。
北米のスキー場でも、今は天然の降雪だけに頼れないのが現実だ。アメリカ南東部と中西部のスキー場の約80%、北東部の約50%、北西部でも約10%が、何らかの形で人工雪に依存している。降ったばかりのパウダースノーの感触には及ばないが、全く雪がないよりはましだ。
とはいえ、降雪機の利用には問題がある。今の方法だと、外気の湿度も考慮した「湿球温度」が氷点下2度を下回らないと雪を作れない。温暖化が進むと、この条件を満たすのも難しくなる。
だからこそ前年の雪を残し、蓄え、復活させるスノーファームに期待がかかる。新しい雪が降らなくても、所定の開業日に必要最低限の雪を用意できるからだ。
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