Atsuko Aoyama
[東京 30日 ロイター] - 30日夜の外国為替市場でドルが一時155円台に下落した。この日夕方に片山さつき財務相と三村淳財務官が「断固たる措置を取る時が近づいている」などと円安を相次ぎけん制した後、ドルは発言直前の160円半ばから約4時間で5円急落。市場では、レートチェックや為替介入、米国勢の参加でポジションの解消が進んだ可能性を指摘する声が聞かれた。
三菱UFJ信託銀行の酒井基成・資金為替部マーケット営業課課長は「値動きを見ると実弾介入かレートチェックかが行われた可能性はあるが、実弾だとするともう少し一気に値幅が出るのではないか」との見方を示した。「一方向にドル/円が下落しているため、小分けに粘り強く介入が行われた可能性もある」(ニッセイ基礎研究所の上野剛志・主席エコノミスト)との声もあった。
午後5時前に伝わった財務相らの発言後にドル/円は159円前半まで軟化していたが、午後7時半前に再び1円超下落。その後も断続的に水準を切り下げ、午後9時前には一時155円半ばまで下落した。ユーロ/円も187円半ばから一時182円前半まで5円超下落した。
米国産標準油種WTIは日中に1バレル当たり110ドル台に上昇する場面があったが、夕方以降は軟化しており、一時103ドル台に下落。このこともドル売りを促したとみられる。
ある国内銀行の為替ディーラーは、「米国との連携を強調しており、いろいろな策があるとは思うが、上方向のポジションがたまっていたこともあり、三村財務官の発言を受けて投げを誘発した可能性もある」と指摘した。「米国勢が参加してくる時間帯になると、一段のドル下押しもあり得る」(別の国内銀のストラテジスト)との見方もある。
「いよいよ断固たる措置」に言及した片山財務相に続き、三村財務官も「最後の退避勧告」として足元で進行する円安をけん制していた。市場では発言を受け、「ドルが161円に届きそうな円安の進行は政権として許容できないことを示した」(国内銀のストラテジスト)との受け止めが聞かれた。