Miho Uranaka

[東京 30日 ロイター] - 英投資ファンドのアセット・バリュー・インベスターズ(AVI)は30日、ロート製薬に対する公開キャンペーンを開始し、創業家出身の山田邦雄会長の解任を求める株主提案を提出したと発表した。収益性の改善が進まない背景に山田会長の経営方針があるとし、企業価値向上に向け事業ポートフォリオやガバナンスの抜本見直しを要求している。

AVIは2024年6月にロートへの投資を始め、現在2%(26年4月29日時点)の株式を保有する。昨年4月にも同様のキャンペーンで事業ポートフォリオの見直しなどを提言していたが、対応は不十分と判断し再度の公開に踏み切った。

同社の日本調査責任者、坂井一成氏は、この1年の対話や調査を通じロートの意思決定構造、とりわけ創業家の影響力に対する懸念が強まったとし、事業面の提案だけでは本質的な課題に届かないと判断したと説明。6月開催の定時株主総会に向け、山田会長の解任議案を提出した。

具体的には、収益化への道筋が不透明な再生医療事業の縮小・見直し、買収したシンガポールの漢方薬企業ユーヤンサン(EYS)の業績低迷とシナジー創出の遅れ、主力スキンケア事業におけるブランド統廃合や広告戦略の見直しによる収益性改善などを求めている。その背景として、山田氏の分散型経営方針が資本コストを意識した経営を妨げているとし、ガバナンス上の課題を問題視しているという。

ロートはきょう、これに先んじて、AVIから株主提案権を行使するとの提案書を受領したと公表。自己株式取得などについての提案があるとし、慎重に検討・審議の上、取締役会の意見を決定次第、速やかに開示するとした。

AVIは、ロート株のパフォーマンスは同業や東証株価指数(TOPIX)を大きく下回るとした上で、資本コストを意識した経営と事業ポートフォリオの見直しが実現すれば30日終値で2300円の株価は6000円を超える可能性があると主張している。

AVIは企業との対話を重視するエンゲージメントファンドで、日本株にはこれまでワコムなど49銘柄に投資してきた。

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