Lewis Krauskopf Suzanne McGee

[ニューヨーク 30日 ロイター] - 29日は米連邦準備理事会(FRB)に関し重要なイベントが2つあった。一つは連邦公開市場委員会(FOMC)の発表、もう一つは次期FRB議長にウォーシュ元FRB理事を起用する人事案を巡る議会上院委員会の採決だ。人事案は承認され、本会議での採決へ駒を進めた。パウエル議長からシームレスなバトンタッチが期待できる状況となったが、金融政策運営の方は中東情勢が影を落とし読みづらくなっている。

FOMCは3会合連続の据え置きを決定したが、4人の反対が出た。反対票の多さもさることながら、前回までと異なるのはその理由だ。これまでは「利下げするかしないか」だったが、今回は、物価動向を踏まえて3人が緩和スタンスに異を唱えた。FOMC後、先物市場は年内利下げの可能性を排除した。

ウォーシュ氏への「警告の一発」。3人の反対票を、MAIキャピタル・マネジメントのチーフ市場ストラテジスト、クリス・グリサンティ氏はこう表現した。メッセージは「緩和スタンス支持を当然視することはできない」。今後「多くのドラマ」を予感させると同氏は述べた。

トランプ大統領はFRBに利下げ圧力をかけ続けている。市場では「新議長はいずれにせよハト派になる」との見方があったが、ウォーシュ氏は21日の指名承認公聴会で、「金融政策の独立性は不可欠だ」と発言し、利下げについてトランプ氏にいかなる確約も行っていないと述べた。

インベストメント・パートナーズ・アセット・マネジメントのグレッグ・アベラ最高経営責任者(CEO)は、雇用情勢に関しては、利下げが必要なほど悪化していないのが現状で、ウォーシュ氏がFOMCメンバーに利下げを説得するのは難しいだろうとの見方を示した。

利下げを巡る思惑が交錯する状況を一変させたのが、米・イスラエルによるイラン攻撃、それに伴う原油高によるインフレ圧力の高まりだ。

マニュライフ・ジョン・ハンコック・インベストメンツの共同チーフ投資ストラテジスト、マシュー・ミスキン氏は、データが利下げを支持しておらず、利下げの是非・実現可能性は不透明だと指摘した。

FOMCでハト派寄りのメンバーが中立方向にシフトしており、今後は「利上げできるか、すべきか、するか」が真の議論になるとマッケンジー・インベストメンツ(カナダ・トロント)のダスティン・リード氏はみる。

ただ誰もが年内利下げを排除したわけではない。シティのアナリストは、引き続きインフレ鈍化と労働市場の緩みを見込み、9月利下げ予想を維持。「原油価格が下落すれば、市場は急速に利下げを織り込む可能性がある」と指摘した。グレンミードの投資戦略バイスプレジデント、マイケル・レイノルズ氏は「今年、利上げが利下げより可能性が高いという新たな見方には懐疑的」と述べ、低金利の恩恵を受けやすい小型株への投資機会を模索していると語った。

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