エジプト観光・考古省は4月22日、エジプト北部のテル・エル・ファラウン遺跡で、巨大な古代エジプトの彫像を発見したと発表した。

【写真】発掘された「太陽王」の巨像

同国最高考古評議会に属する調査隊によって発掘されたこの彫像は、脚部と台座を含む下半身を欠いているが、現存部だけで高さ約2.2メートル、重さは5~6トンに達する。

残された造形の特徴からラムセス2世(オジマンディアス)を表したものとみられている。保存状態は良好とはいえないものの、王権を示す図像的特徴は読み取れるとされていることなどから、同省はナイル・デルタ東部地域における宗教活動や王室活動の側面を明らかにする重要な考古学的証拠の一つと位置づけている。

テル・エル・ファラウンは古代名を「イメト」とする遺跡で、ナイル・デルタ東部に点在した都市の一つ。今回の像について、最高考古学評議会のヒシャーム・エル・レイシー事務総長は、ラムセス2世が築いた王都ペル・ラムセスから、イメトの宗教複合施設内で再利用された可能性があるとした。また、この像が古代エジプトの神殿でよくみられる三体セットの像の一部であった可能性も指摘している。

発見された像は神殿域からサン・エル・ハガル地区の博物館収蔵施設へ移され、今後は緊急の修復作業に入るという。表面の損傷が大きいが、保存処置の進展によっては、王名や装飾、制作時期などについての新情報が得られる可能性がある。

同地域では2025年9月、プトレマイオス3世が紀元前238年に発布したカノープス勅令の新たな文章が刻まれた石碑が発見されている。

ヒシャーム・エル・レイシーは今回の発見について、エジプトメディアの『アハラム・オンライン』に対し、「これらの発見は、ナイル・デルタ東部への理解を塗り替えつつある。(当地域は)単なる周辺地域としてではなく、エジプト古代史を通じて政治・宗教・文化活動が活発に展開された中心地だったと認識されるようになるだろう」と評価した。

現代を象徴する「多面的な成功」が輝いた夜──シャルル・ルクレールが語った"FACETS"の価値
現代を象徴する「多面的な成功」が輝いた夜──シャルル・ルクレールが語った"FACETS"の価値
PR
【関連記事】
ニューズウィーク日本版 世界宗教入門
2026年5月5日/12日号(4月28日発売)は「世界宗教入門」特集。

イラン戦争の背景にある三大一神教を基礎から読み解く[PLUS]宗教学者・加藤喜之教授の「福音派」超解説

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます