メディア業界で働くジェシカは、担当ライターの1人に頭を抱えていた。このライターは執筆の基本的なスキルすら身に付けていないようなのだ。困り果てて上司に相談すると、「チャットGPTに相談して」との答え。
「自分の頭を使いたくない」上司に仕事量もストレスも増
実はこの上司、近頃では何を聞いてもそう答える。それどころか上司自身も、職場内のトラブルから編集上の判断、さらにはジェシカの勤務評価まで、あらゆる事柄をチャットGPTに聞いている。「自分の頭を使いたくないみたい」と、ジェシカは嘆く。
職場でのAI(人工知能)利用はここ数年で倍近く増えた。特にホワイトカラーの仕事場でその傾向が顕著だ。ギャラップの調査では、アメリカの就業者の44%が業務にAIが導入され始めたと答えた。一方で職場にAI利用の戦略があると答えた人はわずか22%。有効活用できていると答えた人はさらに少なかった。
うまく使えているかどうかはさておき、この記事のために取材した人たちの多くは、上司がAIに業務を丸投げするようになったとこぼしていた。その結果、仕事量もストレスも増えたというのだ。
AIは「あらゆる作業に使われている。人間が書いたプレスリリースを全面的に書き直させたり、AIの分析を基に提携先を決めたり、(部下への)フィードバックをAIに任せたり、新商品のアイデアを出させたり」と食品業界で働くデレクは言う。「上層部は思い付く限り何でもAIにやらせている」
さまざまな業種の人たちの話を聞くと、どうやら多くの管理職はAIというツールをよく理解せずに、AI頼みに陥っているようだ。「仕事では何事も簡潔に伝えろと言われるが、(上司からは)日常的にチャットGPTとのやりとりのコピペが送られてきて、それがとんでもなく長い」と、金融業界で働くメルはこぼす。「読めたものじゃない」
冒頭のジェシカは上司の指示に従ってライターの問題をチャットGPTに相談したが、出てきた答えは「ジャーナリズム学校に通わせましょう」。結局は人事課に相談してもっとまともな助言を得た。
記事の続きはメディアプラットフォーム「note」のニューズウィーク日本版公式アカウントで公開しています。
【note限定公開記事】生成AIに業務を丸投げするようになった上司たち...管理職以下は燃え尽き症候群になりかねない現実
ニューズウィーク日本版「note」公式アカウント開設のお知らせ
公式サイトで日々公開している無料記事とは異なり、noteでは定期購読会員向けにより選び抜いた国際記事を安定して、継続的に届けていく仕組みを整えています。翻訳記事についても、速報性よりも「読んで深く理解できること」に重きを置いたラインナップを選定。一人でも多くの方に、時間をかけて読む価値のある国際情報を、信頼できる形でお届けしたいと考えています。