荒唐無稽だが不可能ではない

科学者が政治的理由で標的となることはこれまでもあった。

イランの核研究者が暗殺された複数の事件には、イランの核武装を遅らせるためイスラエルが関与したとされている。2025年6月には、イスラエルとアメリカの空爆でも核研究者の死者が出た。

アメリカや中国、ロシアが残酷な科学者暗殺作戦を展開している、あるいは他の敵対国家から標的とされているという証拠はない。しかし、事態は深刻だ。

ある中国語メディアは、早すぎる死や原因不明の死を追跡し、「トップ科学者8人が『不可解な死』!」といった見出しで疑念を滲ませる。台湾メディアは「極めて異例」と表現している。

中国共産党が統治する中国本土や香港でも、「21世紀にもかかわらず、海外経験のある中国の天才たちが不可解な死を遂げると誰が想像しただろうか」といいうような憶測が広がっている。

一部の中国メディアは、本誌が把握する9件の死亡時案に含まれない別の死亡例がアメリカで発生していることや、多くの科学者がアメリカで学んだ経験を持つことにも言及している。

ただ、中国の科学者がアメリカで学ぶこと自体は珍しいことではない。中国は長年にわたり、優秀な科学者数万人をアメリカのトップ大学に留学させてきたからだ。

そして、その多くは自発的に、もしくは中国政府からの圧力に屈して中国に帰国し、科学技術および軍事の近代化に貢献してきた。

続く不慮の死
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