Yoshifumi Takemoto

[東京 21日 ロイター] - 日銀は21日に公表した金融システムリポートで、国内金融システムは全体として安定性を維持しており、金融機関はリーマン・ショック型のストレスなどに「耐え得る」と評価した。ただ、中東情勢や海外ノンバンク部門などの影響は「引き続き丁寧にみる必要がある」と指摘した。

日銀は、金融システム全体の安定性を点検するため半期ごとに同リポートを公表している。

今回のリポートでは、国内金融機関について「内外の金融市場や実体経済に大幅な調整が生じるリーマン・ショック型のストレスや、原油価格上昇など地政学リスクの顕在化、金利の大幅上昇等が生じる複合的ストレスなどに耐え得る充実した資本基盤と安定的な資金調達基盤を有している」と評価した。金融仲介活動も、引き続き円滑に行われていると明記している。

金融システムの安定性を測るマクロ・ストレステストでは今回、1)原油価格の上昇幅を拡大(前回の想定価格1バレル=140ドルを200ドルに引き上げ)、2)ノンバンク部門がショックを増幅する形での日米長期金利の上昇幅の拡大(前回対比でプラス0.5ポイント)、3)人工知能(AI)関連銘柄の株価大幅下落──の3点を想定に加えた。

一方、⾦融機関が直⾯するリスクとして、国内金融システムや金融市場が海外ファンドの影響を受けやすくなっている可能性があるとし、海外ノンバンク部門における潜在的リスクがより注目されるようになっていると指摘。プライベートクレジットファンドについては、これまでのところ低流動性資産の投げ売りが生じる状況にはなっていないが、先行きの動向は注意が必要としている。

また、国内不動産市場の上昇傾向と地域格差の拡大傾向にも言及し、不動産投資家の期待利回りが低下を続けるなど、市況の動向にも注意が必要と指摘した。

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