Ruth Chai Ashley Tang
[シンガポール/クアラルンプール 17日 ロイター] - イラン情勢の緊迫に起因する主要原材料の供給停滞を受け、ゴム手袋メーカー各社は大幅値上げを実施し、減産の可能性にも言及しており、医療分野に懸念が広がっている。
CIMB証券の株式調査アナリスト、オン・チュン・スン氏によると、手袋メーカーはすでに合成ゴム手袋の価格を平均約40%引き上げ、1000枚入りの箱が最高29ドルに達している。
同証券とマレーシアのRHB銀行のアナリストは、サプライチェーンの混乱が長引けば5月末ごろには手袋が不足する恐れがあると指摘した。
マレーシア民間病院協会のクルジット・シン会長は「仮に(手袋が)不足すれば一部の医療サービスの提供にある程度支障をきたすだろう」とし、慎重に状況を注視しているが「現時点ではサプライヤーは通常通り手袋を供給している」と話した。
問題の核心は原油由来製品のナフサだ。世界の石油・ガス貿易の5分の1が通過するホルムズ海峡の閉鎖で、ナフサ価格は過去最高値に急騰した。
幸い、コロナ禍の教訓により病院と手袋メーカーは数カ月分の在庫を確保しており、供給ショックを和らげる役割を果たしている。
それでも世界の手袋生産の約半分を占めるマレーシアのメーカー各社は、今後も値上げを続ける意向を示している。
世界最大手の手袋メーカー、トップ・グローブはロイターに対し、同社製手袋の約55%に使用されるニトリルラテックスの価格高騰を主因として原材料費が約50%上昇しており、価格転嫁する意向だと明かした。
ゴム手袋大手、ハルタレガ・ホールディングスのクアン・ムン・レオン最高経営責任者(CEO)は、原材料コストの上昇により「手袋価格は適宜調整されている」とし、「この戦争が続けば、世界的な手袋供給に影響が出かねないと懸念している」と語った。
マスクや手術用ガウンなど医療用製品を手がけるメドテックスは、製品によって10%から40%の値上げを行ったと説明した。
トップ・グローブとハルタレガの株価は、受注前倒しへの期待などから3月24日から4月10日にかけてそれぞれ約40%と約50%上昇した。