Clare Jim

[香港 2日 ロイター] - 香港の金融中心部における高級オフィス市場は、約7年続いた下落局面をようやく脱しつつある。不動産業界関係者によると、⁠活況を呈する資本市場を背景に、中国本土企業と多国籍企業の双方で需要が拡大している。

背景には、2025年の記録的な新規株式公開(IPO)ブームがある。同年の香港での資金調達額は231%増の370億ドルに急増した。今年も上場候補案件が数⁠多く控えている。

中国の電子商取引大手JDドットコムは昨年12月、中環(セントラル)のビジネス地区にあるタワー⁠の持分50%を4億5000万ドルで取得した。隣接する銅鑼湾(コーズウェイベイ)では、アリババがフィンテック関連会社のアント・グループとともに、マンダリン・オリエンタルの新旗艦オフィスタワーの13フロアを9億2500万ドルで購入した。

賃貸市場も活況を呈しており、ジェーン・ストリート⁠が昨年6月、近く完成する中環のオフィスタワーの6フロアを賃借したのに続き、金融機関のIMCグループとノーザン・ト⁠ラス⁠トも今年、新たなオフィスを借りた。

CBREの香港キャピタルマーケット部門責任者リーブス・ヤン氏は「中環の供給過剰は24─25年がピークだった」と指摘し、今後5年間の新規供給は過去5年間の半分程度にとどまる可能性が高いとの見方を示した。「新規物件の大半はすでに埋まり、今や高品質なオフィスを⁠巡って借り手が競い合う貸し手優位の市場になっている」と述べた。

<回復にはばらつき>

もっとも、不動産業者やアナリストによると、回復には依然ばらつきがある。他の地域では大幅な供給過剰が続いており、需要の重しになっているという。

S&Pは2日に公表したリポートで、「香港の商業用不動産は極めて限定的な回復局面にある」と指摘。しかし、この回復は広範なものではなく、一部の⁠グレードAオフィスタワーや財務基盤が強い優良な借り手の誘致に長けた一部のオーナーに集中していると述べた。

不動産業界関係者によれば、中環のグレードAオフィスの取引価格は25年後半以降およそ5%上昇した。JLLのデータによると、26年1─2月の賃料は3.5%上昇し、空室率は2月に9.9%へ低下し3カ月連続で改善した。一方、香港全体の空室率は13.4%、九龍東地区は19.5%だった。

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