従来、企業のサステナビリティ情報はCSR(企業の社会的責任)レポートやサステナビリティレポートといった、いわば「別冊資料」が中心であり、企業同士を一望の下に比較することは困難だった。SSBJ基準はこの構図を変える。
サステナビリティ情報は「有価証券報告書」に組み込まれ、統一された基準に沿って記載されるようになる。有価証券報告書は、金融商品取引法に基づく法定書類だ。事業内容、経営成績、財務状況、リスク情報などが網羅的に記載されており、内容には第三者保証が求められ、虚偽記載には法的責任が問われる。投資判断を行う際に重要な1次資料だ。
将来の稼ぐ力を左右する
日本投資顧問業協会(4月1日より投資信託協会と統合し、資産運用業協会)のESG室長、徳田展子はこう感慨を漏らす。
「これまでは『おまけ扱い』だったサステナビリティ情報が、財務情報と同じ重みを持つようになった。明確にステージが変わった思いだ」
同協会が資産運用会社など288社を対象に実施した25年10月の調査では、「投資先企業の持続的成長に向けた状況のより的確な把握を可能にするため、重要であると考えている」「気候変動対策に向けた投資額などの財務的な指標はフォワードルッキングであり、投資家としては有意義な情報」「サステナビリティ開示の少ない中小型株でこそ真価が発揮できると考えている」などと、好意的に迎えられている。
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