では何が一番の障壁になるのかというと、ひとつは規制の違いでしょう。ヘルスケアやフィンテックの分野だと、日本とアメリカで見てみても、銀行や病院で提供されるサービスは似ていますが、その周りの規制がだいぶ違う。

それから、もうひとつ挙げるとすれば、商習慣の違いですね。同じ業界で同じようなサービスを扱っていても、ビジネスのやり方がまったく違うと、それが障壁になり得ます。カスタマーサポートやマーケティング、営業といった分野は、グローバルな商習慣の違いがそれほど大きくないでしょう。でも、たとえばHR(Human Resources)の分野は結構違っていますよね。日本ではいわゆるメンバーシップ型の人事制度、新卒一括採用がベースである一方で、欧米の場合は完全にスキルベースですから。他の国の仕組みをそのまま日本に持ってくるとはなりにくい。そういうところから、日本発の新しいテクノロジーが出てくる可能性もあるでしょう。

とはいえ、業界特化型のヴァーティカルなAIエージェントは、あらゆる産業に進出しはじめている段階です。まさに、全産業×全職種分のAIエージェントができているような状況なのです。そのなかでヘルスケアやフィンテックで導入が早かったのは第一に、人材不足で困っていたからでしょう。猫の手を借りるくらいならAIの手を借りようという。

生成AIで解決すべき課題がどの国よりも多いのが日本
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