Pratima Desai
[ロンドン 5日 ロイター] - 5日のロンドン金属取引所(LME)で銅価格が一時1トン当たり1万3000ドルの大台を突破し、過去最高値を更新した。銅が供給不足に陥るとの見方や、トランプ米大統領がベネズエラのマドゥロ大統領を拘束させ、同国を事実上管理下に置いたことで、重要鉱物の獲得競争に拍車がかかるとの観測が背景にある。
人工知能(AI)の開発拡大に伴うデータセンターの需要増が見込まれる中で、電気ケーブルに使う銅の価格は2025年に約4割上昇した。
SPエンジェルのアナリスト、ジョン・マイヤー氏は「鉱業企業に大幅な増産を促すには、銅価格がさらに上昇する必要がある」とし、「多くの既存鉱山は長年にわたって当初の設計能力か、それを大きく超えて操業しており、(昨年9月に作業員7人が犠牲になったフリーポート・マクモランの)インドネシアのグラスバーグ金・銅鉱山での泥流入事故のような大規模災害のリスクが高まっている」と警鐘を鳴らした。
コンコード・リソーシズの調査ディレクター、ダンカン・ホッブズ氏は「銅を含む金属の価格は、新たな世界秩序での重要鉱物とサプライチェーン(供給網)の安全保障というテーマを受けて上昇し、ベネズエラでの最近の事変を受けてその傾向がさらに鮮明になっている」と指摘する。
グラスバーグ金・銅鉱山の事故や、キャップストーン・カッパーが運営するチリ北部のマントベルデ銅・金鉱山でのストライキなどを背景に、銅の供給が不足するとの見方も価格を押し上げた。
シティグループのアナリストは26年の精製銅生産量が2690万トンになると推定。これは30万8000トンの供給不足に陥ることを示唆している。
将来の需要拡大に対応するには銅生産の設備投資が必要となり、マイヤー氏は「次世代の新規銅鉱山開発の損益分岐点は1トン当たり1万3000ドル超になるとみている」と説明した。